アジア不動産投資ツアーに参加して-2
(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。
前回「アジア不動産投資ツアーに参加して-1」に引き続きお伝えしていきます。
もくじ
プレビルド方式のコンドミニアム・コンドテル
東南アジアでは、過去10年以内に不動産価格が急上昇したエリアがいくつも
あります。
(円高現地通貨安に動けば不動産価格が急上昇しても円換算ではマイナスということもありえます。つまり、円での儲けを考える場合は、為替も同時にみないと実は片手落ちです。しかし、ここでは説明が煩雑になりますので割愛します。)
フィリピンのマニラにあるマカティ市で、フィリピンの証券会社の方と話をしたのですが、「不動産株」が上昇率が高くて良いですよ、と言われていました。
実際、マニラのマカティ市とセブの不動産の現地見学をしたのですが、その周辺は既に建築ラッシュという感じでした。
フィリピン以外でもタイやマレーシアなど他の東南アジアでも、大都市近郊や湾岸沿いのリゾート地、閑静な住宅街等で、同様に建築ラッシュになっている地域が多数あります。
ちなみに、東南アジアの不動産投資では、プレビルド方式のコンドミニアム(区分所有マンション)又はコンドテル(ホテル形式)というケースがあります(もちろん、普通に中古マンションというのもありますが)。
プレビルドというのは直訳すると「建築前物件」です。
日本ではなじみの薄い販売手法ですが、まだ完成していない建物が売りに出され、購入者はデベロッパーに頭金を積立の形式で支払い、完成と同時に残金を支払って取得する(一括支払いだと大きく割引有り)という方式です。
デベロッパーの倒産や資金持ち逃げ等のリスクがありますので、信頼できるデベや仲介会社を見つけることがとても重要です。
プレビルドの場合は、お金を支払う段になっても、通常まだ工事に入っていませんから、大体このあたりにこのようなものが建つ予定だという、まさに、青田買い状態で、購入の判断をしないといけないことになります。
通常日本では、不動産投資をする場合、現地は最低見に行かないといけないよね、といわれますが、プレビルドの場合は、このような状態ですから、飛行機代を払って現地を見に行っても、何もないケースが多いということになります。(実際今回のツアーで一緒に行った方も、以前に自身が購入したコンドミニアムを見に行かれましたが、ほぼ土地だけという状態でした。)
でも、私は投資前に是非とも現地に見に行くことを(一般論としては)お勧めしています。
現地に行くと、周囲の建築済み物件の状況から、将来の家賃収入の目安等わかることは多いです。
マカティでは、他社案件の既に運営されているコンドテルに泊まりました。
他社案件でもその周辺で泊まってみると、わかることもあります。
マレーシアのジョホールバルにあるコンドテルにも他社案件ですが、宿泊させて頂きました。
若干無駄に広いという感じはしましたが、部屋もベットもバルコニーもとても快適でした。
例えば、タイのアユタヤ物件
フィリピンやマレーシア以外には、タイでも不動産視察をしました。
タイのバンコクから車で1時間ほどの所にあるアユタヤです。
この物件は、建築途中の物件で、単体ではなく商業施設等も含めて小さな日本人を中心とした村をつくるような感じの中型開発案件でした。
アユタヤは世界遺産がありますが、実は工業団地としても有名です。
アユタヤにあるロジャナ工業団地には、約220社世界から企業が進出しているのですが、ホンダやパイオニアなどその内約150社が日系企業となっています。
このロジャナ工業団地を有名にしてしまったのが、2011年のタイ洪水でした。
【ウィキペディア タイ洪水 (2011年)】
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%82%A4%E6%B4%AA%E6%B0%B4_(2011%E5%B9%B4)#mediaviewer/File:Flooding_of_Rojana_Industrial_Park,_Ayutthaya,_Thailand,_October_2011.jpg
真ん中あたりに、HONDAの文字が。
もちろん現在では、周囲から車で散策した限りでは、洪水の影響はないように見えました。
先ほどのアユタヤのコンドミニアムは、まさに、これら日系企業に勤める日本人を主なターゲットにしています。
スクエアフィートとは?
東南アジア不動産では、平方メートルではなくてスクエアフィート表示がよく出てきますので、「1スクエアフィートX0.0929=平方メートル」と覚えておいて下さい。
粗くざっくりでいえば、「10スクエアフィート=1平方メートル」です。
例えば、900スクエアフィートと書かれていれば、ざっくり90平方メートル。(厳密には、900×0.0929=83.61平方メートル)
また、例えばタイでは、日本人を含む外国人が自己名義で所有できる不動産はコンドミニアム系だけです。
つまり、更地や一戸建ての購入は原則できませんので、この場合、50年の定期借地等となるようです。
このように、海外不動産の権利関係は国や購入時期によっても違いますので、ご注意ください。
他にも、投資金額にバーを設けたり、日本人等の外国人が所有できる割合に制限をかけるようなケースもよくあります。
海外不動産投資は是か非か
では、ストレートに海外不動産投資は、やっていいのか、悪いのか?
日本ではなく海外、特に東南アジアにおける、例えばコンドミニアムへの投資(プレビルドの場合もある)は、是か非か?
これは、投資する人や対象物件によって大きく異なるでしょうから、一概には言えません。
つまり、海外不動産投資は是か非か?
↓
わかりません。
とはいえ、これでは役に立ちません(笑)ので、実際、私の周囲で、例えば、数年前にフィリピンやタイで不動産投資された方が、今、どうなっているのかを口頭で聞いてみましたので、その内容をシェアします。
Aさんは、数年前にフィリピンのマニラで、プレビルド方式でコンドミニアムを買われて、実際今は建築も完了して、入居者も決まり家賃収入が入ってきています。
今に比べて円高の時に投資されているので、それは得した、とのこと。
でも、収支は当初想定よりやや悪いそうです。
また、売ろうかとも思っているそうですが、買い手がそれほど多くないのと、現時点では投資をトータルでみて、トントンぐらいなのでダラダラと持っているとのことです。
これには、現地に行く渡航費用やそこそこ高額なセミナー代なんかもいれてトントンとのことです。
他にも、同様にプレビルド方式で買われて、現時点でもまだ建築途中の物件を所有しているBさん。
もともと、途中売却を希望されて買われたようで、現時点で売りに出しているが買い手がつかない、又は、ちょい赤字まで下げないと売れないようです。
私の周囲では、明らかに騙された!というケースはありません。
(実際にはいくつもあるようですのでご注意を!日本と制度の違いがあるとはいえ、実質的な所有権がこちらに無いというケースや、プレビルド物件で建築トラブルの結果お金が返ってこない等のケースです。)
とはいえ逆に、ネットに時々書かれているような大儲けしたという方もいないです。
多くは、悪くもなく、良くもなく、です。
早くに投資されていて、今より投資金額が低く抑えられている人で、やや儲かっている人でも、日本より後進国である東南アジアのため、日本では想定外のトラブル等はいまだによくあるそうです。
海外不動産投資をされてよく言われるのは、大体トントンだけど、これだけ色々経験できたのでその勉強代と思えば、悪くもなかったかなぁ、です。
フィリピンやタイでは、年配のご夫婦で海外移住も含めて、海外不動産投資をされている方もおられました。
海外移住を前提に考えると、自分が住む家(直需)を買うということでもありますので、その場合の海外不動産購入は検討の余地が十分あるかなと思いました。
他にもマレーシアでは、新婚さんやお子さんのいないご夫婦で、海外移住前提に、海外不動産投資をされている方もおられました。
こういった場合も検討の余地は十分にあるのかなと思います。
若干尻切れトンボですが、だいぶ長くなりましたので、次回に続きます。次回「アジア不動産投資ツアーに参加して-3」は、独断と偏見による「海外投資のポイント」等をお伝えする予定です。
この話が経営者・資産家の皆様のお役に立つことができれば幸いです。
メール通信№403
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