良い節税とは?【6-3-3で12個の決算対策】パート5

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


前回「初公開!【6-3-3で12個の決算対策】パート4」

今回は、「6-3-3で12個の決算対策」のうち4番目の項目である「良い節税対策」について解説をしていきます。

節税3ケ条

節税と一口にいっても、その形態は様々です。
私は節税を大きく3つに分けて考えています。
それは「良い節税・悪い節税・普通の節税」というものです。

昔テレビ番組で「欽ドン!良い子・悪い子・普通の子」というのがありましたが、それをもじったものです(笑。
それでは「良い節税」とはどのようなものでしょうか?

私なりにまとめてみました。

第1条 資金不要であるべし
第2条 永久的な節税であるべし
第3条 高い節税効果があるべし

良い節税とは?

すべてを満たすのはなかなか難しいかもしれませんが、例えば「資金不要」で「永久的な節税」対策としては、不良資産や不良債権の処理を税法の基準に従って、それぞれ「貸倒損失」や「固定資産除却損」に計上するようなことです。

これは資金が要らず、さらに「永久的に」税金が減るので効果的です。
200万円の不良資産があり、税法基準に従って「固定資産除却損」を全額計上
できれば、200万円×40%(実効税率)=80万円の節税となります。

ちまたに出回っている節税話の多くが「永久的に」税金が減るのではなくて、利益を来年以後にずらすことによる「税金支払い繰延対策」でしかありません。

つまり、今年は利益を圧縮して税金を減らせても、来年以後その繰り延べられた利益を計上して納税しないといけなくなるようなものです。
これでは完全に節税できたとはいえませんよね。

税金を払うぐらいだったら、むにゃむにゃむにゃ

逆に「悪い節税」ですが、これは「最終的に会社や経営者にお金が残らない節税」のことです。
よくあるのが、決算間際になって、「税金を払うぐらいだったら、むにゃむにゃむにゃしよう!」です。

「むにゃむにゃむにゃ」には、豪華な車の購入や無駄な交際費の支出、過大な設備投資等が入ります。
これは一緒に働いている従業員などに悪い影響を与える意味でもよろしくないです。

他人事のように思われるかもしれませんが、長年決算対策で仕事をさせてもらっていると、悪い節税を実行されているケースは、結構あるんですよ。

冒頭の欽ちゃんの言葉を借りれば、「なんで、そうなるの?」と言いたくなります(笑。

普通の節税も大事

最後に「普通の節税」ですが、これは特殊な節税対策等ではなくて、当たり前のことを当たり前に会計・税務処理するということです。
例えば、「役員報酬の適切な設定」や「税法基準にのっとった決算賞与の支給」といったことです。

こういったことをきちんと事前に検討・実行しておくと節税になったりするのですが、会計がブラックボックス化してしまっていたり、数ケ月遅れでしか試算表が出来上がらないといった会社では、この「普通の節税」ですら出来ていないことが多いです。

「6-3-3で12個の決算対策パート2」でもお伝えしましたが、適正な月次試算表が作成されているということが、普通の節税にとっては大事なことになります。


参考【6-3-3で12個の決算対策】

<決算3ケ月前にやるべきこと>
1.決算利益予測・法人税等予測
2.来期事業計画の策定
3.赤字対策(銀行格付対策)
4.黒字対策(良い節税対策)
5.消費税納税予測
6.事業承継対策

<決算1ケ月前にやるべきこと>
1.来期消費税計算方法の選択
2.社長報酬一部損金不算入対策
3.来期管理会計の導入準備

<決算時・後にやるべきこと>
1.来期役員報酬の決定
2.チェックリストの添付
3.剰余金の処分

今日の話が少しでも経営者の皆様のお役に立てれば幸いです。

次回「消費税も忘れずに【6-3-3で12個の決算対策】パート6」

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