自社の損益分岐点を知ろう

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


損益分岐点とは

あらゆる商売の基本となるのは、「いくら売ればいくら儲かるのか」ということでしょう。それを知るために利用されるのが損益分岐点です。

損益分岐点は、損益がちょうど0になる売上のことをいいます。これは、下記のような算式で簡単に求めることができます。

【損益分岐点】=固定費/(1-変動費率)
*変動費率=変動費/売上高

ここで、固定費というのは、売上が増減してもその影響をほとんど受けず、ほぼ金額が一定の経費のことです。

逆に、変動費というのは、売上の変動に比例して増減する経費のことを指します。

売上も利益も同じA社とB社

例えば、A社のある月の業績が以下のような数字だったとします。

売上 500万 - 変動費 400万 - 固定費 200万 = 利益 △100万
 
すると、A社の損益分岐点は

変動費率=400万/500万=0.8
【損益分岐点】=200万/(1-0.8)=1,000万

つまり、A社は売上を2倍の1,000万円にすれば、赤字が解消(利益が0)になります。
一方、B社の同じ月の業績は以下のようになりました。

売上 500万 - 変動費 200万 - 固定費 400万 = 利益 △100万

売上も利益もA社と同じですが、固定費と変動費の内訳が違います。
この場合、B社の損益分岐点はいくらになるでしょうか。

変動費率=200万/500万=0.4
【損益分岐点】=400万/(1-0.4)=6,666,666

となり、利益を0にするために必要な売上は約670万円です。
A社と違い、売上を約1.3倍にすれば、赤字が解消されます。

このように同じ売上、利益であっても、損益分岐点が同じになるとは限りません。損益分岐点を求めてみることで、今までは見えていなかった自社の傾向が分かることもあります。

固定費と変動費の分け方

では、いざ自社の損益分岐点を求めてみようとしたときに、ふと立ち止まってしまうのが、やはり固定費と変動費をどう分けるか、ということでしょう。

分け方はいくつかあり、中にはエクセルで数式を組んで計算する、といったものもありますが、やはり簡単な方法が一番です。おすすめは、科目によって判断する方法です。

とは言うものの、実際のところ全ての経費を固定費と変動費に分けられるかというと、なかなかそうもいかないのが現実です。ある程度割り切って、変動費と判断できるもの以外は全部固定費ということでも構いません。固定費と変動費に分けることが最終目的ではありませんので、ここであまり時間をかけすぎないようにして下さい。

ただし、科目の既成概念にとらわれず、あくまで自社の実情に応じた判断をすることは必要です。
例えば、同じ給料という科目でも、歩合給なのかそうでないのかなどによって変わってきます。

あまり信用しすぎないことも必要

損益分岐点は非常に便利なツールですが、ただし、現実にはこの通りにいかないことも多々あります。あくまで計画を立てる際や、問題点を把握するためのツールとして割り切り、過剰に損益分岐点を信用しすぎないことも大事です。

この話が少しでも経営者の皆様のお役に立てれば幸いです。

メール通信№41


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