人間は感情の動物

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


3人の言葉

「人間は感情の動物である」
ウィリアム・シェイクスピア

「人は感情の動物であり、しかも偏見に満ち自尊心と虚栄心によって行動する」
デール・カーネギー

「人間は、自分が自惚れるほど理性的ではなく、些細な感情で動く」
ブレーズ・パスカル

いずれも、「理性」ではなく「感性」の一部である「感情」が、その人の行動に深く影響を与えているということを示唆しています。

マニュアル回答で再炎上

顧客からクレームを言われて、マニュアル通りに答えて「再炎上」なんていう事例は、数多ありますよね。

従業員にステップアップしてもらおうと、教育システムや人事労務システムに資金や時間を投じたものの、逆に「生産性低下」「退職者続出」といった事例も、特に中小企業ではアルアルだったりします。

かといって、「理性」でつくったマニュアルやシステムが不要かというと、特に企業の成長過程において、必然でありとても重要でしょう。

2,000人の会社を見学して

正社員2,000人の会社を見学する機会があったのですが、経営陣の方は、上記3賢人の言葉を常に最上部にもってきて、物事の判断をされていました。

しかし、マニュアルはいくつもあり、更に、これでもかというぐらい詳細で、それを使う側の立場に立って、「神は細部に宿る」といわんばかりのものでしたが、「大事なのは理性よりも感性(感情)だよね」と言われていたのが印象的でした。

理性でとことん詳細にマニュアルは作るが、運用は感性(感情)中心でした。

なんかこの人の話し方むかつくなと思われたら、もうどうしようもありません。
残念ながら、もうそれがある意味答え、謙虚に受け入れるしかありません、自分が幸せになるためにも。

論理的に概ね誰にきいても間違いのない指摘をしても、その時たまたま恋愛に悩んでいる適齢期女子だったりすると、全く響かないこともあります。

「コミュニケーションの決定権は常に相手側にある」とは誰が言ったのか知りませんが、その通りと感じます。

では経営者としてどうするの?

まずは、「謙虚さ」を忘れない事ではないかと思います。

どこまでいっても100%確実なんてことはないのだし、また見る角度によって一般的に正しいといわれることでも真逆に映ったりすることは、戦争を例にあげるまでももなく、本当によくありますし、また当事者がそれに気づかないのもこれまたよくあることでしょう。

付け加えるなら、謙虚さも単なる媚びへつらいではなく、人間は神と違い誰しも完ぺきではない事を素直に受け入れる、「不完全性の自覚から滲み出る謙虚さ」が大事だと思います。

次には、なるべく頻繁に「相手を思い遣ること」も大事ではないかと思います。

相手を思い遣るとは、相手の為に時間を使い相手に思いを馳せることでしょう。

こう言ったら、「こんな背景のある今こんな状況と想定されるこの年代のこの性別の方なら、このように感じるのではないだろうか」とか、こう行動したら、この人にはこういう影響がありそうで、それに気づくタイミングが概ねこの日時だから、この時点でこのようなメールを送ろうか」とか、そしてそれらを複数パターンイメージできると尚良いのでしょう。

「謙虚さを忘れず相手を思い遣る」、実践しないと無意味であることも最後に改めて書いておきましょう、自戒を込めて。

Ps.因みにそれこそが愛なんだと教えてくれたのは、「感性論哲学」の創始者である芳村思風先生でした。現在82歳で入院中ですが、心よりご回復をお祈り致します。

世にいう名言や格言を引用するのに恥ずかしさを感じる年齢になりましたが、今回はご容赦を!(笑)

この話が経営者・資産家の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

メール通信№896


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