同族会社で損することは・・・

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


今回は中小企業に多い同族会社の範囲と該当した場合の増税内容についてお送りします。

日本の会社は98.5%が中小企業

大企業は大きな広告を出すため、企業数も結構多いのではないかと思われているかもしれません。しかし、国税庁による法人企業の実態調査(平成19年分)よると、圧倒的に中小企業が日本経済を支えていることがわかります。

平成19年分 申告法人数 2,647,369法人/資本金1億円未満の法人数 2,609,169法人

つまり、日本では、法人のうち98.5%が資本金1億円未満の中小企業なのです。

中小企業は同族会社がほとんど

中小企業の多くは、株式のオーナーが親族だけの同族会社です。
そのうえ、中小の同族会社の場合は、株式のオーナーと経営者が同じというケースも多々あります。

つまり、給料とか交際費のさじ加減も自分で決定し、自分に支払うこととなります。

そこで社会通念上、常識の範囲を逸脱した行為が可能となることから、同族会社には、税務上において非同族会社にはない増税規定が設けられています。

3種類の同族会社概念

毎年、決算終了後に税理士から決算申告書のコピーを渡されますよね?
この決算申告書の2枚目が別表2と呼ばれるもので、株式オーナーの名簿となっています。そして、このページに記載された内容から、課税当局は同族会社かどうかを判定しています。
(今回は、わかりやすさに重点をおくため、簡略化した説明となることをご了承願います。)

①同族会社の判定
上位3株主グループで発行済株式等の50%超を所有している場合に該当します。

②特定同族会社の判定
上位1株主グループだけで発行済株式等の50%超を所有している場合に該当します。

③特殊支配同族会社の判定(こちらは別表14(1)に記載)
業務主宰役員(通常は社長)一族だけで発行済株式等の90%以上を所有し、かつ、社長一族が常務従事役員の過半数を占める場合に該当します。

増税の影響は? 

上記の同族会社の概念に該当した場合には、非同族会社と比べ増税規定が設けられています。

①同族会社に該当した場合に損することは、同族会社の役員で一定要件に該当する場合には使用人兼務役員にはなれないことです。また、この場合原則賞与が費用となりません。

②特定同族会社に該当した場合に損することは、所得が約3,300万円を超えると通常の法人税とは別に、留保金課税という税金が課されることです。
ただし、現行は資本金1億円以下の法人はこの留保金課税の対象法人から外されておりますので、ご留意ください。

③特殊支配同族会社に該当した場合に損することは、基準所得金額(過去3年の会社所得と社長給料の平均)が1,600万円を超えると、原則社長給料のうち給与所得控除相当額が費用として認められないことです。

 
同族会社の場合の増税内容をお知らせしましたが、増税回避のみの株式流出は経営の求心力を失うことになってしまいますので、するべきではありません。

また、今回は同族会社の増税規定をお知らせしましたが、相続税及び贈与税においては、日本の雇用を守るために斬新な減税規定ができています。

このお話が少しでも経営者の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

メール通信№125


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