隠れ不渡り

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


今回は、「隠れ不渡り」と題して、今後の企業動向予測について、私見を交えてお届けします。

4月の倒産件数は1,169件

当事務所では、帝国データバンクと契約している関係から、「倒産速報」が毎日届きます。

毎日、毎日数十社掲載されています。

それだけでも驚かれるかもしれませんが、実はここに掲載されるのは、負債総額が少額なものや個人事業者は含まれていませんので、実態の倒産件数はもっと多いものと思われます。

ちなみに、4月の倒産件数は1,169件で、負債総額は5,074億4,300万円となっています。(集計対象:負債額1000万円以上、法的整理による倒産)

ただし、前月比では件数で3.9%減、負債総額で51.1%減となっています。

隠れ不渡り

しかし、ここで大事なのは、最近「隠れ不渡り」が急増していることです。

東京商工リサーチの談によると、「上場会社を中心に10社から20社、支払い遅延が発生」しているようです。

その例として、日経新聞2009年5月13日によると、「ある工務店の社長は、またかとため息を漏らした。下請けとして取引する中堅の上場不動産会社が、今年に入って毎月のように工事代金の振込みを遅らせるようになったためだ。3月期末には数週間遅れた。一方的な変更だが立場上、のまざるを得ない。」とあります。

現在、上場会社を中心とした大型倒産が一服しているのは、この「隠れ不渡り=支払い遅延」によって、急場をしのいでいるだけではないかということです。

緊急融資12兆円

中小企業においても、緊急融資(セーフティネット)として、12兆円の融資・保証が実行されています。

もちろん、制度の趣旨通りセーフティネットとしての部分もありますが、なかには、返すあてなく急場をしのぐためだけのケースも多々あるようです。

さらには、政府は、「定額給付金」、「高速道路料金値下げ」、「助成金」、「減税」など、じゃぶじゃぶに税金投入を続けています。

こういったことが、今、倒産が急増せず、ある意味、不思議な安定をしてしまっている原因だと思われます。

新聞社かテレビ局か・・・

巷では、次は、「××新聞だ」、「○○テレビだ」などという噂も飛び交っています。
真偽のほどは別にしても、間違いなく、今は、政府の緊急経済対策などによって、「つくられた安定」となっていると考えたほうがいいと思います。

それは、株価にしても為替にしてもです。
1度無理に押し上げた場合、可能性としては、その後、急降下することもありえます。
このじゃぶじゃぶの経済対策が底をつく頃、日本の景気が一時的に急速に冷え込む可能性は十分あり得ます。

今日お伝えしたかったのは、「今は景気は少し持ち直していますが、今後一時的に急降下する可能性がある」ということを知っておいてもらいたかったからです。

とはいえ

とはいえ、このコラムで何回も申し上げていますが、「成熟社会を考えると、これからは間違いなく中小企業の時代です」そして、「中小企業の売上はマクロマーケットの動きとは無関係です」

数百億円の売上をしているのなら、景気動向も大事でしょうが、月1000万円売上が上昇すれば、それで会社安泰というのが大半の中小企業です。

マクロマーケットの動向にしばられないようにしてください。
極論、景気が上がろうが下がろうが関係ないと考えてほしいのです。

日々の工夫改善を積み重ねることが大事です。

成功は積み重ねです。
成功は、エレベーターではだめです。
成功は、階段であるべきです。
階段を自らイメージして、その階段を上るための準備をしっかりして、そしてその階段を一歩一歩上がっていくことが大切です。

共にがんばりましょう。

このお話が少しでも経営者の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

メール通信№131


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