本当の決断力

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


今回は、ある方から決断力について教えて頂きましたので、皆さんとシェアしたいと思います(前半は私の今までの持論です)。

4月は決断が多い時期

4月となり新年度が始まりました。
この時期は、経営者としては色々と決めることが多い時期ではないでしょうか。

細かいことでは、
・年間購読の雑誌を継続するかどうか
・この会費を支払続けるかどうか

大事なことでは、
・(3月決算の会社)今期の営業で何をすべきか、投資はどうするか、採用は
・従業員の昇給をどうすべきか
・経営者自身、今期の立ち居振る舞いをどうするのか

などなど。

決断力とは?

当然のことかもしれませんが、経営者に「決断力」は必要だと思います。

では一体、決断力とは何でしょうか。
対極の言葉は、「優柔不断」。

一般的にいわれるのは、「よし、この方針で行こう!」に象徴されるような意思決定能力ではないでしょうか。
それには、「スピードが大事」、「周囲に耳を傾けることが必要」、「最後は1人で決めるもの」など色々意見があります。

私は、決断力とは、「何かを決めることだけではなく、先に何をしないのか決めること」だと考えます。
あれやろうこれやろうと社長が旗振りをしても、従業員や周囲の人は白けていることがよくあります。

また、新規事業の提案や実行は社長以外でもできますが、「これをやらない」と決めることは、中小企業においては社長しかできません。

先を見通す力

と、ここまでは、私の今までの考えだったのですが、ある方に教わったのは、「先を見通せれば決断なんて不要、そういう意味では決断力より洞察力だ」です。

未来がよくわからない状況で、博打的に何かを決断するのではなくて、この先の業界動向や経済動向、地域動向などをできるだけ詳しく調べて、その中にある「必然性」を見つけることに注力すべきだ、と。

何か決断しないといけない状況になったときには、「必然的にこうなる」という既成事実が3個から7個(根拠不明)その周辺にあるはずだ、と。

そしてその必然性の理由を見つけることが、「洞察力」だと。

Aの人を採用するかBにするか悩むときには、Aにしなければならない必然性がいくつかあるはずなので、その必然性の理由をまず探る。

中小企業でよくあるのは、必然性を無視し、更にはその必然性に逆らった決断。

「売上が30%ダウンしたから、今回は営業を強化するための採用なんだけど。この子、営業力は未知数なんだよね。けど、すごく素直で良い子なんだよな、あ、そういえば出身地も同じや。採用する?」

とはいえ、こうなりたい、あれをやりたいという「意志」はとても大切ですから、このことがそのままその通りということでもないのかもしれません。

必然性の罠

この先は余談ですが、これを他人事としていると大きなトラブルに巻き込まれるかもしれません。

この必然性には、実は罠があります。

必然性を見極めてそれに従っていたらすべてがうまくいくかというと、実は真逆に陥ることがあります。

頭をフル回転して、必然性に従う決断を繰り返しているのに、誰にもどうにでもできない、どうしようもない状況に陥ることがあります。

じゃーそのとき、どうするか。
全てを捨てて、一気に逃げる。

ホリエモンの事件が国策捜査だったかどうかは別として、正義や正しさは常に両面ですから、(自分が思う)正しいことをやっていればすべてがうまくいくかといったら、それは違いますよね。

この話が経営者の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

メール通信№177


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