改正貸金業法とは?

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


今回は、6月18日から完全施行される「改正貸金業法」についてお送りします。

改正貸金業法のポイント

今回の貸金業法改正の目的は「多重債務問題の解決と安心して利用できる貸金市場の構築を目指す」とされています。
関係のない人は関係のない貸金業の改正ですが、経営者としてはポイントだけでも抑えておきたいものです。

そこで、利用者にとって変わることのポイントを挙げます。

1.年収の1/3を超える借入が制限(総量規制)されること
2.上限金利が20%に引き下げられること
3.専業主婦の場合も配偶者(夫)収入の1/3を超える借入が制限されること
4.一定の場合、収入を証明する書類の提出が法律上義務付けされること

総量規制とは?

総量規制とは個人の借入総額が、原則、年収等の3分の1までに制限される仕組みを言います(ただし、不動産購入のための住宅ローン、自動車担保ローンなど一部除外または例外となる借入もあります)。

総量規制は、消費者金融会社・事業者金融会社・クレジット会社・信販業者等の貸金業者からの「個人向け貸付け」のみ対象となります。ただし、個人が事業用資金として借入れる場合は、原則として総量規制の対象にはなりません。(法人向けの貸付けと保証、個人向け保証は、総量規制の対象外です。)

また、貸金業者が個人へ貸し付ける場合には、指定信用情報機関の信用情報を利用した返済能力調査が義務付けられます。

貸金業者は、自社の貸付残高が50万円を超える貸付けを行う場合、あるいは他の貸金業者を含めた総貸付額が100万円を超える貸付けを行う場合には、収入を明らかにする書類の提出が求められます。

貸金業者は、この書類を用いて、利用者への貸付けが年収等の1/3を超えていないか確認します。

上限金利の引き下げ

貸金業法上の「みなし弁済」制度(グレーゾーン金利)を廃止し、出資法の上限金利を20%に引き下げます。これを超える場合は刑事罰の対象となります。

ちなみに改正前に借入れた分については、従前通りの金利が適用されます。

配偶者貸付に制限

収入のない専業主婦が借入を行いたい場合は、配偶者の同意なしには実行が出来なくなります。

具体的には、
1.配偶者の収入を証明する書類
2.夫婦間の身分関係を証明する公的書類(住民票・戸籍抄本等)
3.配偶者貸付を締結することについての配偶者の同意書
4.指定信用情報機関への信用情報の提供等に関する配偶者の同意書
を、提出することで、配偶者収入の1/3を上限(配偶者借入れとの合算)とした借入が可能です。

ここで、大事なことは配偶者の同意が得られないときは、新たな借入はできず、既借入の返済のみとなる点です。

書類の提出

書類の提出ができない場合には、やはり新規の借入は難しいようです。

今回の改正は、 個人向け借入について上限を設定し、国民に身の丈にあった額を超える借入をさせないようにというものです。

これは、まさしく事業でも同様のことが言えます。決算書の損益計算書を見てください。年間売上高の1/3を超える借入となっていないでしょうか?
身の丈にあった借入となるよう、努力しましょう。

この話が経営者の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

メール通信№183


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