経営者にとっての本当の税金の話

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


3年半前に・・・

2007年1月22日に、「経営者にとっての本当の税金の話」として、慰安旅行のことを書きました。

そこでは、従業員思いの経営者が1人20万円ほどかかる豪華な慰安旅行を計画しますが、税務上は給与課税の可能性が高い、さてどう経営判断するかというお話をさせていただきました。

ポイントは、「経営者としては税金に振り回されない経営判断」が時に必要ではないかというものでした。

3年半ぶりとなりますが、今回は「会社が儲かってきたときに求められる税金に対する2つのスタンス」についてお伝えします。

節税重視型か自己資本重視型か

会社を経営して儲かってくると必ずどこかで、税金に対するスタンスを決めないといけない時期がきます。

おおまかには、「節税重視型」でいくのか「自己資本重視型」でいくのかです。

節税重視型とは、会社と経営者個人を合わせたトータルで最も納税額が少なくなるように経営していくやり方です。
この場合、経営者自身の役員給与をできるだけ支給して、会社にはほとんど利益を残しません。(企業規模が大きい場合には次の自己資本重視型との併用になります。)

結果的に、会社で税金を払うのではなくて個人で税金を払うことになります。
これは、法人と個人の実効税率の違いを利用したやり方となっています。

自己資本重視型は金融機関の評価アップ

一方、自己資本重視型とは、会社の自己資本(純資産の部合計)を手厚くしていくことを第一とするやり方です。

自己資本の構成要素というのは、中小企業においてはおおまかに、「資本金」と「繰越利益剰余金」です。

繰越利益剰余金とは、過去の税引後利益の累計となっています。
つまり、自己資本を手厚くしていくということは、会社で多くの税引後利益を計上していくことです。

この場合、経営者の役員給与は必要な分だけに留めることになります。
結果的に、個人ではそれほど税金を払わず、その分会社で税金を払うことになります。

ちなみに、自己資本重視型は金融機関に対する評価が高くなります。

どちらにしてもキャッシュを残す

どちらが良いかというのは会社の方向性などもありなかなか難しいのですが、必ずしもどちらかが良いということではなく、その折衷案が適切なこともあります。

また、ずっとどちらかのタイプである必要もありません。
会社のステージによって、変わっていくべきです。

特に現在のように時代の変革期においては、経営が不安定で突発的なことが起こりやすい時期でもありますので、会社と経営者個人を合わせた自己資本を重視していかないといけません。

節税重視型の場合は経営者個人にお金がたまり、自己資本重視型の場合は会社にお金がたまりますので、どちらにしてもそのキャッシュを無駄遣いせず貯めておいてください。

この話が経営者の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

メール通信№194


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