若年層の消費動向の変化にアンテナを張る

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


若年層の消費支出は減少傾向

日本政策金融公庫の総合研究所(中小企業研究グループ)から「中小企業動向のトピックス」が発表されました。

今回のテーマは「若年層のライフスタイルと消費動向の変化~ハードからソフトへ~」となっており、年齢層による消費動向の変化からうまれるビジネスチャンスについて分かりやすく解説されていますので、ご紹介します。

総務省「2010年国勢調査」によると、10~30歳代の若年層は総人口の約35%を占め、国内の消費に与える影響は決して小さくありません。
しかし、民間給与の平均をみると、2009年は直近のピークである2007年に比べ約7%減少し、2010年には緩やかに改善しましたが、依然として2007年の水準を下回っています。

こうした所得環境を背景に、消費は弱含んでいます。2010年の総務省「家計調査」によると、1世帯1ヶ月当たり平均消費支出は、2年連続で減少しています。

特に29歳以下の消費は、2009年以降に大きく落ち込んでおり、景気や所得環境の影響を受け易いことが伺えます。また、30~39歳も全体と比べ減少幅が大きくなっており、若年層の消費を取り巻く環境は他の世代以上に厳しいことがわかります。

消費品目の変化

総務省「全国消費実態調査」というものが5年ごとに実施され、細かい調査品目ごとに平均消費支出額を集計しています。この品目は調査ごとに更新されるため、新しく追加された品目から、消費の移り変わりやライフスタイルの変化を伺うことができます。

〔全国消費実態調査で新たに追加された品目〕
1999年→外食、MDプレーヤー、獣医代、発泡酒
2004年→インターネット接続料、移動電話、介護サービス、ミネラルウォーター
2009年→レンタカー料金、家事代行料、ゲームソフト等、ビール風アルコール

上記のうち、インターネット接続料、レンタカー料金にスポットを当て、若年層の消費スタイルがどのように変化しているか、ご紹介します。

インターネット接続料~つながりを求める

若年層は早い時期から携帯電話やパソコンに慣れ親しんでおり、これらを通じたコミュニケーションを積極的に取り入れる傾向にあります。

近年増えているのが、SNS(ソーシャルネットワークサービス)です。これは、インターネット上の会員制サービスで、会員同士がお互いの情報を公開し、つながりを形成しいくことができ、代表的なものとしてFacebookやmixiが挙げられます。若年層の利用率は約80%を超えております。インターネット接続料の支出額は、増加傾向にあります。HPやSNSをフル活用して、情報を得ていることがわかります。

レンタカー料金~持つことにこだわらない

厳しい雇用環境や将来の不安から、節約志向の若者が増えています。一方で、ゲーム機や携帯電話などに対する若年層の需要は急拡大、多様化しています。
関心のあるものにはお金を使い、そうでないものに対しては「買わない」「持たない」という傾向が強まっています。

若者の車離れはその典型的な例であり、実際若年層の運転免許保有率は特に18~29歳で大きく低下する傾向にあります。多くの自動車教習所で生徒が減少していますし、たとえ免許を持っていても、維持費がかかるといった理由からマイカーを持たない人の割合も増えています。

「全国消費実態調査」で2009年の年齢別自動車保有台数(1世帯当たり)を2004年と比較してみると、29歳以下で0.76台から0.68台に減少しており、減少幅は30~50歳代よりも大きくなっています。

その一方で、レンタカーへの需要は強まっているようです。コインパーキングの一角がレンタカースペースに変わっているのをよく見かけます。

比較的消費活動の多い若年層のライフスタイルの変化に早く着目し、他社に先じて新しい種類のサービスを展開していくことが必要となります。消費がハードからソフトへ移り、求められているものが多様化しているなか、常にアンテナを張り、臨機応変に時代に合わせていく柔軟さが求められているようです。

この話が経営者の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

メール通信№286


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