初公開!【6-3-3で12個の決算対策】パート2

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


前回「初公開!【6-3-3で12個の決算対策】パート1」

前回、今までの古い決算対策では、現在の企業経営には太刀打ち出来ないことを述べました。
つまりは、法律や各種制度、銀行の姿勢などが変わったことによって、決算時に考慮しないといけない項目が増えた・変化した、ということでした。

それでは今、決算対策はどうあるべきなのか?については、「6-3-3で12個の決算対策」という、机の宣伝のようなタイトルもお伝えしましたよね(笑。

前回の復習も兼ねて、以下再掲しますね。


【6-3-3で12個の決算対策】

<決算3ケ月前にやるべきこと>
1.決算利益予測・法人税等予測
2.来期事業計画の策定
3.赤字対策
4.黒字対策
5.消費税納税予測
6.事業承継対策

<決算1ケ月前にやるべきこと>
1.来期消費税計算方法の選択
2.社長報酬一部損金不算入対策
3.来期管理会計の導入準備

<決算時・後にやるべきこと>
1.来期役員報酬の決定
2.チェックリストの添付
3.剰余金の処分

決算利益予測・法人税等予測

今回は、「決算3ケ月前にやるべきこと」の一番目、「決算利益予測・法人税等予測」について解説します。

例えば、事業年度が4/1~3/31の1年決算法人では、決算3ケ月前の段階では、おおまかには4/1~12/31までの9ケ月累計の試算表が作成されていることと思います。

つまり過去9ケ月の利益が実績として確定している…、はずです。

「はず」と私が書いたのは…

「はず」と私が書いたのは、経験上多くの中小企業では出来ていないからです。
つまり、決算3ケ月前の段階で、一体いくら儲かっているのか?がわからないのです。

特に、税法ベースでいくら儲かっているのかは、後に法人税等を予測する上でも重要です。

「わしの会社は月次決算をきちんとやっとるし、毎月税理士さんから試算表が送られてきているから、大丈夫じゃ」とおっしゃる経営者の方もいます。

でも我々が試算表を精査すると、「これでは正確な月次試算表が完成しているとはいえません」といったことがよくあります。

例えばの話

例えば、減価償却費。
1年分の減価償却費を12ケ月で割って毎月概算計上していますか?
毎月減価償却費が概算計上されていない過去9ケ月累計の試算表では、本当の実績(この場合は後に税金予測などをする観点から税法ベース)を表しているとはいえません。

また、消費税は税抜経理をされていますか?(免税事業者や簡易課税制度を選択している会社を除く)

消費税込みの利益は、過剰な利益表示となっています。
消費税は預かり金でしかありませんから、税抜経理が今や会計では主流です。

ちなみに税抜経理をしていると、貸借対照表の「仮受消費税」から「仮払消費税」の勘定科目残高を差し引くと、ほぼ正確な「支払うべき預かり消費税額」がわかりますので、便利です。

さらに最も大事なのが、売上や仕入の計上基準です。
まさか、お金が通帳に入金されたときに、「売上」として計上されていませんよね?

売上も仕入も、きちんと売掛金や買掛金を把握して、その月の儲けをその月の売上に計上してください。

これを「発生主義会計」といいます。

他にも、年払いの家賃や経費があれば、それは12ケ月に按分したものを期中概算計上しておいてください。

毎月の試算表を12ケ月足して

つまり、毎月の試算表を12ケ月足してそれが最終決算書とほぼイコールになるのが、「良い月次試算表」といえます。

ご自身の会社では、発生主義会計、期中概算計上、出来ていますか?

逆にいうと、これが出来ていない過去9ケ月間累計の試算表では、法人税等予測(納税予測)はかなり困難となります。

未来3ケ月予想

仮に、決算3ケ月前に過去9ケ月累計の売上高や利益がきちんと表示されている試算表が完成している、とします。
その場合次にやらないといけないのは、決算までの3ケ月間の利益予想です。

このときには昨年の同時期の試算表(月次推移損益計算書が望ましい)があると、予測しやすいですね。

利益予測の手順としては、まずは大まかに粗利を予測して、次に他の経費(販売費及び一般管理費)を予測します。
さらに会社によっては、営業外損益項目である「支払利息」なんかもおりこみます。

特殊な投資などがあるときは、減価償却費がどれくらい計上されるかなども同時に試算して、結果、未来3ケ月の利益予測をたてます。

最後に法人税等予測(納税予測)

そして過去9ケ月の実績利益と未来3ケ月の利益予想とを合計して、決算利益予測を完成させます。

それが出来れば、利益の多寡によって税率を当てはめて「納税予測」をします。利益が多い場合には、「同族会社の留保金課税」にも要注意ですね。税率が変わりますので。続きは次回にて。

今日の話が少しでも経営者の皆様のお役に立てれば幸いです。

次回「初公開!【6-3-3で12個の決算対策】パート3」

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