中退共制度で退職金準備

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


社外積み立て型退職金制度

個人事業主や中小企業が順調に業績を伸ばしていく過程において、ベテラン従業員の存在が大きいものとなっています。昨今では、終身雇用という日本伝統の労働形態が崩れつつあると言われて久しくなります。しかし、優秀な人材を獲得することが困難な中小企業の原動力はベテラン従業員ではないでしょうか。

従業員に長期勤続してもらうインセンテイブとして、退職金制度の有無はやはり重要となるでしょう。

ここで、一般に退職金は3つの性質を持つと言われています。
1.長期勤続に対する功労金
2.賃金の後払い
3.老後生活の保証

しかし、中小企業にとっては従業員一人に退職金を支払うにも資金繰りを相当前から準備する必要があります。
そこで、中小企業の退職金を国がサポートする制度「中小企業退職金共済制度(中退共)」を利用してみてはいかがでしょうか。

この制度には、大きく二つのメリットがあります。
一つ目は、支払い時に毎月の掛金が経費になるうえ、社外にプールされている
二つ目は、受け取り時には退職所得として1/2課税という優遇課税が受けられる

このように「中退共」による退職金は支払った側においても、受け取った側においてもメリットがあるうえに社外積み立て型なので管理がラクなのが魅力です。

制度の概要

では、簡単にこの「中退共」の概要を説明しておこうと思います。

まず加入条件ですが、業種によって異なります。従業員数と資本金に縛りがあり、例えばサービス業ならば、常用従業員数300人以下または資本金・出資金5千万円以下というものです。
つまり、「中退共」はある一定規模以下の会社しか加入できない制度となっています。

次に、従業員は原則として全員加入させる必要があります。但し、個人企業の事業主及び配偶者は加入できません。また、法人企業の場合、役員は原則として加入できません。

そして、制度の仕組みとしては、事業主が機構:中退共と退職金共済契約を結び、後日、毎月の掛け金は、全額事業主負担で金融機関から口座振替で落ちます。
従業員が退職したときは、その従業員の請求に基づいて中退共から退職金が直接その従業員に支払われます。

ここで、注意してもらいたいのは、中退共による退職金は必ず従業員に支払われるということです。そのため、例えば入社3年目以降の従業員に退職金を支払う退職金規程のある会社ならば、この退職金規程に合わせて3年目から中退共に加入することになります。
この退職金規程に合わせないで加入すると、従業員が3年未満で辞めたとしたも、その従業員からの請求により、中退共による退職金が支払われてしますからです。

制度の特色

中退共は、国の退職金制度なので掛金の一部を国が助成してくれます。新規加入の場合なら、掛金月額の1/2(従業員ごと上限5,000円)を加入後4か月目から1年間、国が助成してくれます。
さらに、掛金は5,000円から従業員ごとにランクが選べ、パートさんなら2,000円から加入できるのが有難いです。

また、従業員ごとの納付状況、退職金額を事業主に定期的に連絡をしてくれるので管理が簡単です。

詳細は中退共のHPにてご確認を!
http://chutaikyo.taisyokukin.go.jp/qa/index.html

加入の方法

中退共の加入は銀行、信用金庫等の金融機関で受け付けています。
また、弊社でも受付ができますので、お気軽にご連絡下さい。

この話が少しでも経営者の皆様のお役に立てれば幸いです。

メール通信№40


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