赤字決算の時はここに注意!

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


赤字でも税金は0ではない

いろいろな諸事情により、どうしても決算が赤字になってしまう場合、税金については、どんな点に注意すればよいでしょうか。

まず赤字であるからといって、税金を全く支払わなくていいわけではありません。法人住民税の均等割や消費税などは、利益に関係なく支払わないといけませんので、注意が必要です。

特に、赤字のときの消費税は、支払うのが厳しいものです。普段から納税用に積み立てておくなどの意識が必要です。

法人住民税の均等割は、資本金1,000万円以下であれば、7万円程度というのが一般的には多いですが、資本金や従業員数、支店数が増えると、赤字でも均等割だけで、結構な金額がかかってくることがありますので、注意して下さい。

赤字の繰越は7年間

決算が赤字になると、青色申告法人であれば、その赤字の金額は翌年以後に繰り越すことができます(厳密には、会計上の赤字と税務上の赤字は異なります)。
繰越しできる期間は7年間です。ですから、赤字になった期の後、7年以内に黒字が発生すれば、その黒字は赤字と相殺することができるというわけです。

赤字の繰戻しはできるか?

逆に、黒字が出た後に赤字決算になった場合には、通常は相殺することはできません。黒字と赤字、どちらが先になっても同じように思いますが、税金を計算する上では、この順番というのは実は大きな影響があります。

ただ特例として、設立後5年以内の青色申告法人に限り、赤字の金額をその前年の黒字の金額と相殺して、税金の還付を受けることができます。

もちろん、その赤字の金額を翌年以後に繰り越す、という選択肢もありますので、どちらが有利か判断する必要があります。
設立間もない頃というのは、少しでも資金が多い方が助かりますので、すぐに還付を受けられるこの制度は利用価値が高いと思います。

ただし、この還付の適用を受けられるのは法人税のみです。法人事業税や法人住民税には適用されませんので、注意して下さい。

赤字のときの減価償却

赤字のときには減価償却をどうするか、ということも、中小企業にとっては大きな問題です。
翌年以後にある程度利益が出ることが見込める、というときには、赤字金額が多少大きくなっても、減価償却をしておく方が有利な場合もあります。

ただこんなことはあまりないと思いますが、赤字の繰越は7年間までですので、その間に黒字と相殺ができなければ、結局その赤字の金額は消滅してしまいます。

赤字といっても、ある程度将来の利益を考えた上で、決算を組むという姿勢が必要です。

今日の話が少しでも経営者の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

メール通信№92


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