在庫の財務諸表への影響とその削減方法

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


在庫は財務3表のすべてに影響する

会社を上手に運営していく上で、在庫管理は重要です。
在庫が少ないと欠品となり売上に影響しますが、逆に在庫が多いと資金繰りに影響します。

在庫(商品や製品など)は財務3表と密接に関係しています。
財務3表とは、貸借対照表と損益計算書そしてキャッシュフロー計算書です。

貸借対照表との関係

在庫は、「貸借対照表」の資産の部に計上されます。
つまり、在庫は会社にとって大切な資産なのです。

しかし、得てして中小企業における在庫には、流行遅れや陳腐化などの不良在庫が存在しています。

その最たる原因は、過剰な在庫にありますので、必要最低限の在庫で会社が回るように工夫しましょう。

損益計算書との関係

また、在庫は「損益計算書」の売上原価項目に期末棚卸高として計上されます。
在庫の金額が多ければ売上原価は小さくなり、逆に少なければ売上原価は大きくなります。

売上原価の計算式=期首商品棚卸高+当期商品仕入高-期末商品棚卸高(在庫)

在庫の金額の多寡は、会社の利益に直接影響することを覚えておいてください。

キャッシュフロー計算書との関係

さらに、在庫は「キャッシュフロー計算書(間接法)」の営業活動によるキャッシュフローを計算するときにも影響します。

在庫が増加するとその分会社の資金が寝ていることになりますので、キャッシュフロー計算書上はマイナス評価となります。

小売業の例

小売業で考えた場合、商品である在庫は、仕入れた段階では会社の損益計算書上、仕入高及び期末商品棚卸高に計上されるため、売れるまでは利益に影響しません(先述の売上原価の計算式参照)。

しかし、利益に影響しないからといって、在庫はいくら抱えてもいいわけではありません。

在庫を会社に抱えるということは、売れるまでは、会社の資金を倉庫に寝かせているのと同じです。
しかも、そのお金を自己資金でまかなえないときは、銀行借入が必要となり、金利まで支払うことになります。

そこで、以下の「過剰在庫削減5つの手法」を参考に在庫削減に努めてください。

過剰在庫削減5つの手法

1.販売品目を減らす(見直す)
⇒在庫はほうっておくと自然増殖します。定期的な販売品目数の見直しは在庫削減に威力を発揮することがあります。

2.販売計画の精度を上げる
⇒仕入担当者が余分に発注するのを防げます。

3.物流拠点を見直す
⇒流通経路を見直すと大幅な在庫削減が見込めることがあります。

4.倉庫の整理整頓を行う
⇒定番ですが実施していない会社が多いです。

5.在庫を抱えないビジネスモデルを考える
⇒右肩上がりの時代ではありませんので、ブレーンストーミングなどを行い柔軟な発想で新しいビジネスモデルを考えてみましょう。

今日の話が少しでも経営者の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

メール通信№98


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