中小企業の資金繰り対策

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


”モラトリアム法案”の行方

亀井大臣が提案したいわゆる”モラトリアム法案”が話題になっています。

現在議論されている内容は、当初の亀井大臣の発言からは後退し、あくまでリスケに応じるかどうかは銀行の努力義務とされるようです。対象は中小企業と住宅ローンを抱えた個人で、平成23年3月末までの時限立法とされる見込みです。

年内には「中小企業金融円滑化法」として臨時国会で成立する見通しです。
実際に使える制度となるかどうかはわかりませんが、借入を抱える中小企業にとって救世主となる可能性もあります。

健全な借入の目安

ところで、借入金はどの程度までなら健全か、その目安はどう考えたらいいでしょうか(ここでいう借入金は役員借入金を除きます)。

基準は大きく2つあります。

1つは、借入金の残高が年商の半分以下というもの、もう1つは、債務償還年数が10年以下というものです。
はっきりとした根拠はわかりませんが、例えば次のように考えることができます。
年間で、売上高の5%の営業キャッシュフローを稼ぐ会社があるとします。
この会社が10年で返済することができる原資は、ざっくりと年間営業キャッシュフローの10倍と考えることができますので、売上高×5%×10年=売上×50%→年商の半分となります。

つまり、年商の半分の借入金があれば、売上高の5%の営業キャッシュフローを出す会社でも、返済するのにざっくり10年はかかる計算になります。

資金繰り円滑化借換保証制度

ここでいう営業キャッシュフローというのは、おおまかには、営業CF=利益+減価償却費-税金支払額と考えます。
減価償却費はお金の支出を伴わない費用ですから、これは返済原資として考えることができます。

有利子負債の金額をこの営業キャッシュフローで割った金額を債務償還年数といいます。この債務償還年数が10年を超えると、一般的にはイエローカードです。
厳密には、年間の返済金額が営業キャッシュフローの範囲内になるような借入残高が理想的です。

では、現在借入返済が多く、資金繰りの厳しい会社はどうすればよいでしょうか。

1つの解決策として、「資金繰り円滑化借換保証制度」を利用する方法があります。
詳しくはこちら↓
【中小企業庁HP|資金繰り円滑化借換保証制度】
http://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/karikae_index.htm

これは、現在の保証協会融資をセーフティネット保証や一般保証で借り換え、返済年数を延ばしてもらう制度です。

毎月の返済金額が少しでも減れば、それだけ資金繰りは楽になります。自治体によっても同様の制度が準備されているところがありますので、ぜひ検討してみて下さい。

このお話が少しでも経営者の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

メール通信№154


Copyright all rights reserved By マネーコンシェルジュ税理士法人

その他の最新税務関連ニュース

大阪税理士コラムのカテゴリー一覧

税務情報を「メール通信」「FAX通信」「冊子」でお届け。

中小企業の経営者及び総務経理担当者・相続関係者向けに、「知って得する」「知らないと損する」税務情報を、メルマガ、FAX、冊子の3種類の媒体でお届け。
配信日時などの詳細は下記をクリックしてご確認下さい。
会計事務所の方はご遠慮頂いております。

  • メール通信 ご登録&ご案内
  • FAX通信 ご登録&ご案内
  • 冊子媒体 ご登録&ご案内

今なら初回面談無料!
お気軽にお問い合せください。

0120-516-264受付時間 9:00~17:30(土日祝休)

メールでのお問い合せ

ページトップ