月8万円のアルバイト代も源泉徴収の対象!?

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


新たに雇用したら・・・

4月は、人の移動があるときです。新たに社員やアルバイト・パートを雇用した場合、忘れずにしてしていただきたい手続きがあります。

それは、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」をもらうことです。

給与を支払う事業者は新たに社員等を雇用した場合、「平成23年度給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を必ず渡し、その社員等は原則として最初の給与の支払いを受ける日の前日までに、必要事項を記載し、押印のうえ事業者に提出する必要があります(なお、既存の社員分は、年末調整書類の一つとして回収していると思いますが、まだの場合は早急に提出してもらいましょう)。

そして、事業者は、提出された申告書が正しく記載されているかどうか確認し、その申告書に基づき、各人の所得税源泉徴収簿の「扶養控除等の申告」欄に必要な記入を行い、また、所得税源泉徴収簿の左上の「甲欄」を○で囲みます。

実は、この作業が非常に大事なのです。

税額表の種類

給与を支払うときに源泉徴収する税額は、その支払いの都度、「給与所得の源泉徴収税額表」を使って求めます(税務署からの年末調整に関する書類が送付された際に入っています)。

この税額表には、「月額表」と「日額表」と「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」の3種類があり、該当するものを選びます。

1.「月額表」
給与を毎月支払う場合に使います。このほか、半月ごとや10日ごと、3か月ごと、半年ごとなどに給与を支払う場合も使います。

2.「日額表」
働いたその日ごとや1週間ごとに給与を支払う場合に使います。このほか、日割り計算して支払う給与にも使います。

3.「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」
賞与を支払うときに使います(賞与でも月額表を使う場合もありますが、
一般的に少ないです)。

甲・乙・丙欄

実務上、源泉徴収をする所得税は、税額表に記載されている「甲欄」か
乙欄」または「丙欄」で税額を求めます。

「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の提出がある場合には「甲欄」、提出がない場合には「乙欄」で税額を求めます。なお、「丙欄」は「日額表」だけに使い、日雇いの人や短期間(2か月以内)雇い入れるアルバイトなどに給与を支払う場合に使います。

「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の提出がない場合

例えば、御社がアルバイトAさんに4月分の給与8万円(社会保険料控除なし)を支払う場合。

Aさんから「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の提出がある場合は、源泉徴収税額はゼロとなります。
一方、Aさんから「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の提出がない場合は、御社は8万円×3%=2,400円を源泉徴収する義務が生じます。

もし、提出がなく、源泉徴収をしていない場合で、後日税務調査があったときは、御社は本来徴収すべき所得税額を税務署に納付しなくてはいけません。
それから、Aさんから本来徴収すべき所得税額を回収することになります。

はたして、Aさんから回収することができるのでしょうか?

源泉徴収所得税は事業主が徴収し、国に納付する義務がある税金です。
後日、トラブルにならないためにも、新たに雇用した場合には、必ず「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を配布し、回収してください。(扶養控除等申告書は、主たる給与に対して1ヶ所しか提出できません。)

この話が経営者の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

メール通信№229


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