(経営者向け)やさしい労務管理の手引き
(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。
もくじ
厚生労働省リーフレット
厚生労働省のHPでは、実務に役立つ様々なリーフレットがダウンロードできるようになっています。
例えば、以下のHPでは、労働基準法関係の各種資料が手に入ります。
【厚生労働省|労働基準法関係】
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/leaflet_kijun.html
先日、この中に新しい資料がアップされていました。
【厚生労働省|やさしい労務管理の手引き】
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/dl/roumukanri.pdf
【厚生労働省|知っておきたい働くときのルールについて】
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/dl/rule.pdf
経営者の方が、簡単に労務管理の概要をつかむのに適した書類だと思いますので、今回はその中から一部をご紹介したいと思います。
労働基準監督官の権限
税務署が税務調査に来るように、労働基準監督署も調査に来ることがあります。
このとき、調査に来る労働基準監督官というのは、重大または悪質な違反については、捜査し検察庁に送検する司法警察員としての権限が与えられています。
つまり、警察官に準ずる扱いということです。これは、税務署職員との大きな違いです。他には、麻薬取締官などにも、司法警察員としての資格が与えられています。)
労働契約の必須5項目と禁止5項目
労働契約を結ぶにあたって、以下の5項目については、使用者が労働者に対して書面を交付する義務があります。
・労働契約の期間
・仕事場所、仕事内容
・労働時間、休憩、残業、休日など
・賃金支払方法
・退職について
逆に、以下のような項目は契約に盛り込んではいけません。
・国籍、信条、社会的身分を理由とする差別的取り扱い
・女性であることを理由とする差別的取り扱い
・労働契約に違反した場合の違約金をあらかじめ決めておくこと
・労働を条件として、お金を貸し、給料から天引きして返済させること
・労働者に強制的にお金を積み立てさせること
賃金の支払い方4原則
賃金の支払い方も労働基準法によって、4つの原則が定められています。
・通貨払いの原則
・直接払いの原則
たとえ未成年であっても、その親の口座等に給料を支払うことはできません。
・全額払いの原則
強制的に一部を天引きして支払うことはできません。
・毎月1回以上定期払いの原則
有給休暇
6ヶ月間継続勤務し、所定労働日の8割以上を出勤した労働者には、最低10日間の有給休暇が与えられます。その後、勤続年数が増えるごとに休暇日数は増えていきます。
アルバイトやパートであっても、上記の要件を満たし、週5日以上又は週30時間以上勤務していれば、正社員と同じだけの有給休暇が与えられます。週4日以下、週30時間未満の場合でも、それに応じた日数の有給休暇は与えられます。
解雇予告手当
使用者が労働者を解雇するには、その理由が合理的であり、かつ少なくとも30日前に解雇予告をする必要があります。
解雇予告をしない場合には、解雇予告手当を支払わなければなりません。即日解雇の場合には30日分以上の平均賃金、予告日数が30日に満たない場合には、不足日数分の平均賃金を支払う必要があります。
また、労働者が解雇理由について証明書を請求した場合には、会社は証明書を交付しなければなりません。
整理解雇
使用者が不況等により整理解雇を行った場合には、以下の4項目に基づいてその妥当性が判断されます。
・人員削減の必要性
・解雇回避の努力
・人選の合理性
・解雇手続の妥当性
外国人雇用
厚生労働省の下記HPで、外国人向けの雇用契約書ひな形をダウンロードすることができます。
【厚生労働省|外国人労働者向けモデル労働条件通知書(英語)】
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/kantoku/040325-4.html
【厚生労働省|外国人労働者向けモデル労働条件通知書(中国語)】
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/kantoku/040325-5.html
【厚生労働省|外国人労働者向けモデル労働条件通知書(韓国語)】
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/kantoku/040325-6.html
他にも5ヶ国語のモデル契約書があります。
この話が経営者の皆様のお役に立つことができれば幸いです。
メール通信№252
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