マイナス金利で生命保険料値上げ?

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


マイナス金利の影響

2月から始まったマイナス金利は、各方面に影響を与え始めています。その1つが生命保険です。

生命保険は、契約者から保険料を集めて、その資金を運用し、保険金として支払う仕組みですので、運用金利が下がれば、当然、今までと同じように運営していくことは厳しくなります。そうなれば、必然的に保険料は引き上げられることになります。

各保険会社は、契約者に対して、予定利率と言われる運用利回りを約束しています。その予定利率の目安となっているのが、金融庁が設定している標準利率です。

この標準利率は、市場金利を見ながら、金融庁が適宜見直しを行いますが、冒頭のマイナス金利の影響で、その引下げが確実な状況です。

終身保険等は7/1から利率引き下げ

実際、下記の通り、終身保険と養老・年金保険の標準金利は平成28年7月1日から引き下げられました。

一時払い終身保険     0.75%→0.25%
一時払い養老・年金保険  0.50%→0%

この影響で、各保険会社の間で、一時払い終身保険の販売休止などが続出しています。

一時払い終身保険は、生命保険の非課税枠を活用するため、相続対策としてよく利用される保険で、平成27年の相続税増税もあり、加入が急増していたのですが、今後は契約できる保険が激減するものと思われます。

平準払い保険は来年4/1から保険料アップか

法人に影響があるのは、節税対策として利用される逓増定期保険や長期定期保険ですが、こちらについても平成29年4月1日からの標準利率引き下げが確実視されています。

前回は、平成25年4月1日に見直しが行われ、標準利率が1.5%から1.0%に引き下げられました。その影響で、保険料は約5~15%値上げになりました。

今回は、標準利率が1.0%から0.25%まで引き下げられると見込まれています。前回よりも引き下げ幅が大きくなるため、実施されれば、保険料は約10~25%ほど上がり、解約返戻率も下がる見込みです。

加入は早目に、解約は控えて

今後の法人の生命保険活用におけるポイントは、2つです。
・新規加入は平成28年3月末までに検討
・既存の保険はお宝保険となるので、できるだけ解約しない

節税対策等で加入を検討されている場合は、保険料値上げ前に加入できるよう準備しておいてください。

また、今回の標準金利引き下げは、既に現時点で加入している保険には影響しませんので、今後、金利の高い時代に加入した保険は、いわゆるお宝保険となります。できるだけ解約せずに、継続するようにしましょう。

この話が経営者・資産家の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

メール通信№496


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