人件費が増えたら、税金で取り戻す!

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


人件費の増加原因により、変わる税額控除

最近、人材不足による単価の上昇、最低時給のアップなどで、人件費の増加が中小企業の懸念材料となっています。

数年前から、人件費が増えた企業については、一定の税額控除を適用することが可能となっていますが、最近の税制改正により、少しずつ制度が変わってきていますので、少しおさらいをしておきたいと思います。

人件費の増加原因は、大きく「人数」と「単価」に分けられます。
ざっくり言うと、「人数」増に対応するのが「雇用促進税制」、「単価」増に対応するのが「所得拡大促進税制」になります。

※「人数」増で「所得拡大促進税制」を適用することも可能ですが、最終的には「単価」増も要件となります。

「雇用促進税制」は、増加人数×40万円の税額控除が受けられますが、現在、適用地域が下記の”同意雇用開発促進地域”に限定されています。

同意雇用開発促進地域一覧(平成29年4月1日現在)

http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/pdf/chiiki-koyou_02a.pdf


ちなみに、大阪府や東京都などの都心部は該当地域がありません。
そのため、これらの地域の中小企業は現在、この雇用促進税制の対象外となっています。
(とはいえ、京都、奈良、兵庫、和歌山、滋賀などでは対象地域が設定されていますので、該当しそうな方は、上記資料をご確認下さい。)

所得拡大促進税制は、平成24年度比増加額の10%控除

結果的に、現在では多くの中小企業で、人件費増加時に使える税制は、所得拡大促進税制となります。

適用するための基本的な要件は、以下となります。(資本金1億円以下の中小企業の場合)

【要件1】給与等支給額の総額
平成24年度(平成24年4月1日以降開始事業年度)から3%以上増加

【要件2】給与等支給額の総額
前事業年度以上

【要件3】1人当たりの平均給与等支給額
前事業年度を上回る

上記を満たしていると、「平成24年度からの」給与等支給額の増加額の10%相当額(その事業年度の法人税額の20%上限)の税額控除が受けられます。(前年度からの増加額の10%ではありません)

ポイントは【要件3】です。
一定の要件を満たす従業員の1人当たり平均給与等が、前年度を超えていなけれはいけません。

平成29年度から、さらに上乗せ措置あり

さらに、平成29年4月1日以降開始事業年度から、以下の上乗せ措置が始まります。

【要件3(その2)】1人当たりの平均給与等支給額
前年度比2%以上増加すること

上記の要件を満たせば、「前年度からの」給与等支給額の増加額について、税額控除がさらに12%上乗せされます。(その事業年度の法人税額の20%が上限)

該当すれば、大きく税額を減らせる可能性があります。
適用を検討する場合には、決算前にシミュレーションしておくことをおすすめします。

※今回の内容は、簡略化してお伝えしています。詳細な要件等については、別途ご確認下さい。

この話が経営者・資産家の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

メール通信№537


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