雇用促進税制の手続が始まります

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


雇用促進税制は事前の手続きが重要

以前コラムでお伝えしました通り、平成23年度税制改正の一部が成立し、新たに「雇用促進税制」が制度化されました。

おおまかには、雇用者増加数2人以上(中小企業)、かつ、雇用増加割合10%以上等の要件を満たす企業は、雇用増加数1人当たり20万円の税額控除が受けられます(ただし、法人税額の20%が限度)。

この雇用促進税制の適用を受けるためには、事前に申請手続が必要ですが、先日、その手続きの内容が発表されましたので、その概要をご紹介したいと思います。

雇用促進税制は、平成23年4月1日から平成26年3月31日までの期間内に始まる事業年度が対象です。この適用を受けようとする場合には、事業年度開始後2ヶ月以内に、雇用促進計画をハローワークに提出する必要があります。

ただし、今回は税制改正の成立が遅れたため、平成23年4月1日から8月31日までの間に事業年度を開始した法人については、平成23年10月31日までに提出すればよいことになっています。

具体的には、納税地を管轄するハローワークに以下の書類を提出します。

●「雇用促進計画-1」 1部
●「雇用促進計画-2」 1部
●主たる事業所の雇用保険適用事業所番号が分かる書類 1部

「雇用促進計画-1」では、今期の労働者の目標増加数などを記載します。「雇用促進計画-2」では、雇用促進計画に基づいた求人申込み見込みを記載します。
これらを提出すると、「雇用促進計画-1」については受付印が押印された上でハローワークから返却されますので、大事に保管しておいて下さい。この「雇用促進計画-1」の書類は、事業年度終了後の手続きでも再度使うことになります。

事業年度が終わったら、達成状況の確認

上記の提出が終わると、事業年度終了までに、雇用促進計画に基づいた採用活動を行うことになります。求人はハローワークでも行うことができますが、ハローワークを通さずに採用しても構いません。

事業年度が終わるとその後2ヶ月以内に、納税地を管轄するハローワークに雇用促進計画の達成状況を確認してもらいます。具体的には、下記の書類を提出します。

●計画開始時に押印された「雇用促進計画-1」に雇用増加数などの達成状況を追記したもの 1部
●返信用封筒(返送先を記入し、簡易書留の所要額の切手を貼り、「雇用促進計画在中」と明記)
(事業所を廃止した場合や組織再編があった場合は、別途提出書類が必要です。)

ハローワークは、雇用促進計画の達成状況を確認して、提出された「雇用促進計画-1」を返送します。雇用促進税制の適用を受けるためには、その返送された「雇用促進計画-1」のコピーを申告書に添付することが必要です。

事前に必ずスケジュールの逆算

このときに重要なのが、スケジュールです。ハローワークが受け付けて返送するまでに、およそ2週間かかります。法人税等の申告期限は、事業年度終了から2ヶ月後ですので、遅くともそれに間に合うように提出しなければなりません。
さらに、4~5月は3月決算法人が多いために、手続きも混雑が予想されます。通常2週間かかるところが、この時期は約1ヶ月程度かかるようです。

なお、事業年度終了直前に、雇用保険被保険者の増加、減少がある場合には、その方の資格取得届、資格喪失届を先に提出しないといけません。こういった異動がある場合には、これらの手続後約2週間が経過しないと、雇用促進計画の達成状況の確認ができないようです。

これらを併せて考えると、例えば3月決算法人で3月末に被保険者の出入りがある場合には、かなりタイトなスケジュールになることが予想されます。事前に必ずスケジュールを確認して、申告期限に間に合うように提出して下さい。

可能性があるなら、雇用促進計画の提出を

繰り返しになりますが、この雇用促進税制は、事業年度開始後に手続きをしていなければ適用することができません。いわゆる後出しジャンケンができない規定です。適用を受ける可能性があるなら、雇用促進計画を提出しておくことをおすすめします。

具体的には、3~8月決算法人については平成23年10月31日までに、9月決算以降の法人については事業年度開始後2ヶ月以内に、雇用促進計画の提出が必要です。
(弊社顧問先の皆様につきましては、順次ご連絡差し上げます。)

この話が経営者の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

メール通信№243


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