年金保険の二重課税判決、その影響

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


年金保険の二重課税判決、国側逆転敗訴

7/6に最高裁判決が出され、「年金払い方式の保険金への相続税と所得税の課税が違法な二重課税に当たる」とされ、国側が逆転敗訴し確定しました。

マスメディアで多数報道されましたので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

今回の判決では、「保険金の年金受取額のうち、相続により取得した年金受給権部分について、相続税で課税され、さらに実際年金を相続人等が受け取った時に所得税が課税されのは違法だ」というものです。

野田財務大臣の発言

この判決を受けて、翌7/7に、野田財務大臣より以下の発言がありました。

「過去5年分の所得税については更正の請求を出していただいたうえで、それを経て減額の更正をするという形の対処をしていきたい」

「5年を超える部分の納税の救済については、これは制度上の対応が必要になると思います。法的な措置が必要なのか、政令改正で済むのか、これはよく子細に検討させていただきたいと思いますけれども、関係者の皆様にご迷惑をかけないように、これも対応をしていきたい」

「生保年金以外に相続をした金融商品で、今回の判決を踏まえて対応しなければいけない、改善しなければいけないものもあるかもしれません。それについては、改善すべきは改善をしていくということで、具体的には政府税調の中で議論をして来年度の税制改正で対応するということも視野に入れていきたい」

とりあえずまとめると(自身が相続した財産の点検が大事)

最高裁判決及びそれを受けての野田財務大臣の発言をまとめると、

1.相続により取得した年金払い保険の受給権部分について(全部ではない)は、相続税と所得税で二重課税であるとされた。
2.その結果、過去5年分について所得税で更正の請求(税金還付)が可能となりそうだ
3.5年超の部分についても、手当がされるかもしれない
4.相続した定期預金の未収利息など、年金払い保険以外の他の金融商品も、同様の動きとなるかもしれない
5.どちらにしても、今後も年金受取時に所得税の源泉徴収義務は生命保険会社等に残るので、確定申告等で還付請求をすることになるのではないか

※対象になるのは、まずは「相続財産を受け取った方」です。自身が相続した財産に上記のような金融商品がなかったか、ご確認されることをオススメします。
今のところ、国や生命保険会社等が勝手に税金を戻してくれるのではなくて、こちらから「更正の請求」等のアクションを起こさないと税金は戻ってこないようです。

現段階では様子見

とはいえ、現段階ではまだ何も決まっていませんので、具体的なアクションは何もする必要がありませんし、できません。
国側と生命保険会社とで、協議を行なうようです。

また、詳細が決定しましたら、このコラムでご報告します。

繰り返しになりますが、相続財産を受け取った方は、上記のような金融商品がなかったかご確認ください。

この話が経営者の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

メール通信№190


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