年金二重課税の還付請求手続き

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


還付請求の対象となる方

以前、コラムでもご紹介した「年金払い方式の保険金への相続税と所得税の二重課税」について、一部の所得税等の還付が10/20より開始されました。
対象者は6~9万人、還付金は60~90億円ともいわれています。

そこで、今回のコラムでは、自分が対象者になるのかどうかも含めて、還付請求の方法等についてご紹介したいと思います。

まず原則として、対象となると思われる方には、生命保険会社等から通知が送られてくる予定になっていますので、ひとまずはその通知を待ちましょう。
ただし、その通知がない方は還付対象者ではない、ということではありません。通知の来ない方でも、対象者の可能性はありますので、気になる方は生命保険会社等に照会することをおすすめします。

具体的に対象となるのは、次のいずれかに該当する方で、保険契約等に係る保険料負担者でない方です。

●死亡保険金を年金形式で受給している方
●学資保険の保険契約者がなくなったことに伴い、養育年金を受給している方
●個人年金保険契約に基づく年金を受給している方

尚、相続税や贈与税の納税額が生じなかった方も、還付対象になります。

還付される税金の種類

還付されるのは、所得税だけではありません。住民税や国民健康保険料なども還付対象になります。
そのため、所得税の還付金が少ないからといって、還付請求をしなかった場合、実は、その他の還付金が結構多かった、ということも考えられます。

ただし、場合によっては、還付申告することで、住民税や国民健康保険料等が増額になることもあります。

判断する際には、所得税以外の項目も考える必要があります。

過去何年分まで還付されるか

現在、還付の手続きができるのは、平成17~21年分までの各年分についてです。
野田財務大臣からは、過去10年分に遡って還付する旨が発表されていますが、現行法上で還付できるのは、過去5年分が限度ですので、こういう形になっています。

平成12~16年分については、別途、法律上の手続きを踏んだ上で、来年春以降に還付手続きが開始される予定になっています。

また、平成17年分の還付手続きは、原則として平成22年12月末までとなっていますので、該当する方は、年内に還付手続きを行う必要があります。

手続きの方法

自分がどのような手続きを取ったらいいのかについては、税務署が作成している 下記の判定表が参考になります。

大きく分けると、以下のようになります。

●所得税が還付になる方
・確定申告している方は、2ヶ月以内に税務署に更正の請求(市区町村は不要)
・確定申告していない方は、2ヶ月以内に税務署に還付申告(市区町村は不要)

●所得税は還付にならないが、住民税・国民健康保険料等の還付を受けたい方
・市区町村で手続き(税務署は不要)

よくわからない方は、税務署が相談に乗ってくれます。ただし、原則予約制になっていますので、事前に管轄の税務署に電話して予約を入れるようにして下さい。

市区町村については、自治体により対応が異なると思われますので、まずは電話で確認してみるのがいいでしょう。

還付請求で、扶養控除が増えることも

また、直接自分が還付対象者でない場合でも、自分の扶養親族が還付対象者であることがあります。
還付請求することによって、その扶養親族の方の年金収入のうち、一部又は全額が非課税となれば、新たに自分の扶養控除の対象にできる場合があります。

この場合には、扶養親族の還付請求に加え、自分の還付申告(又は更正の請求)ができますので、忘れないようにして下さい。

尚、弊社の顧問先様で、今回の還付請求を弊社にご依頼される方は、別途ご連絡下さい。

この話が経営者の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

メール通信№206


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