年末調整の改正点は3つ、生命保険料控除の計算に注意！（予定納税 の減額申請もお忘れなく）

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年末調整関連の書類

そろそろ保険会社や金融機関から「控除証明書」や「借入金残高証明書」などが届く頃となりました。今年も恒例の年末調整が近づいてきましたので、届いた書類を紛失しないように保管をお願いします。

今年の年末調整において、昨年と比べて変わった点は3つあります。
1.生命保険料控除の改組
2.自動車通勤者への通勤手当の非課税限度額の変更
3.「納期の特例」を受けている事業者の納期限が1月20日に統一

生命保険料控除の改組

平成24年1月1日以後の契約より、「介護医療保険料控除」が新設されました。
これに伴い、生命保険料控除の合計適用限度額が10万円から12万円とされました。

所得税における生命保険料控除限度額は下記の区分に応じ計算します。なお、控除額を求める計算式については、旧契約分と新契約分がありますのでご注意ください。

【平成23年12月31日以前の契約（旧契約）のみの場合】
これまで通りの計算となり、一般生命保険料控除5万円＋個人年金保険料控除5万円＝10万円です。

【平成24年1月1日以降の契約（新契約）のみの場合】
一般生命保険料控除4万円＋個人年金保険料控除4万円＋介護医療保険料控除4万円＝12万円です。

【旧契約と新契約の双方がある場合】
この場合のみ少し計算が複雑になります。

一般生命保険料控除及び個人年金保険料控除について
旧契約のみの控除額（限度額5万円）
旧契約と新契約の控除合計額（限度額4万円）　のいずれか有利な方を選択します。

介護医療保険料控除の限度額は4万円です。
あくまでも各保険料控除（一般・個人年金・介護医療）の合計控除限度額は12万円となりますので、お間違いのないようにお願いします。

また、生命保険料控除は住民税にも適用されます。

自動車通勤者への通勤手当の非課税限度額の変更

自動車など公共交通機関以外で通勤する人が受ける通勤手当の非課税限度額が変更されました。

〔改正前〕
運賃相当額（最高限度：10万円）が距離比例額を超える場合には、運賃相当額まで非課税

〔改正後〕　
通勤手当が距離比例額を超える場合には、その超える金額は給与課税
　
ちなみに、運賃相当額とは公共交通機関を利用した場合の運賃に相当する金額のことです。距離比例額とは、自動車などを使用して通勤する人の距離に応じて定められる1ヶ月当たりの一定の金額のことです。

マイカー通勤手当などを支給している事業者は、再確認をお願いします。

「納期の特例」を受けている事業者の納期限が1月20日に統一

毎月の給与や賞与、司法書士等の報酬に対する源泉所得税を半年に1回納めている事業者に関係のある改正です（毎月納めている事業者には、関係はありません）。

「納期の特例」の適用を受けている事業者が7月～12月での間に支払った給与等から徴収した源泉所得税の納期限が、翌年1月20日とされました。

これまでは、1月10日の事業者と1月20日の事業者が混在していましたが、1月20日に統一されました。

今回の7月～12月分については、平成25年1月21日（月）が納期限となります。

所得税の予定納税額の減額申請

最後に、「所得税の予定納税額の減額申請」についてお伝えしておきます。

去年、一定額以上の納税をされている個人事業者などについては、今年、所得税の予定納税をしなければなりません。
ただし、売上が急減したなどの理由があれば、事前申請することにより、この予定納税額を減額することができます。期限は11/15までとなっていますので、該当する方は忘れずに手続きして下さい。

弊社顧問先の方は、担当者までご連絡頂きますようお願い致します。

この話が経営者の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

メール通信№310

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