労働人口減少、副業ビジネスが活況!確定申告も忘れずに!

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


平成30年度税制改正の本格的な議論スタート

11月に入ると、新聞紙上に毎日、税制改正について掲載されるようになりました。

平成30年度税制改正において、「所得税改革、生産性向上、事業承継」というキーワードが度々紙面に出てきています。
労働人口が減少する日本において、ここ数年においては、これらキーワードを中心とした改正が実施されていくことでしょう。

このうち所得税改革について議論されている最新情報をシェアしたいと思います。
政府税制調査会は20日に「税務手続の電子化等の推進と個人所得課税の見直し」について中間報告をまとめ発表しました。

11月21日の日経新聞には、所得税改革の背景として次のように掲載されていました。

「給与所得控除の見直しに動く背景には、シェア経済や、インターネットを通じて個人に仕事を委託するクラウドソーシングの普及がある。フリーランスや請負で働く人は基礎控除しかないのに、会社勤めで給与をもらうと給与所得控除の恩恵があることは、不公平感につながるためだ。」

どういうことかというと、累進課税(課税対象の額が大きくなるほど、税率が高くなる仕組みのこと)を採用している所得税において、高所得者ほど給与所得控除(平成29年分から最大220万円)の恩恵を多大に享受することができます。

一方で、フリーランス(個人事業主のこと)で働く人には、給与所得控除は適用できず、基礎控除(38万円)しか適用できません。
これが不公平であると指摘されています。

また、兼業・副業の現状を見ると、「平成24年就業構造基本調査(総務省)」によれば、全就業者6,442万人のうち、副業をしている者は約234万人で全就業者の3.6%も占めています。少し古い資料ですので、現在は増加していると思われます。

さらに、厚生労働省は20日に会社員が副業や兼業をしやすくするため、企業が就業規則を作る際に参考とする「モデル就業規則」を見直す案を有識者会議に提出しました。

平成30年度税制改正において、給与所得控除を減らして、すべての納税者が享受できる基礎控除を増加することを含めた所得税の改革が最優先の検討項目に挙げられています。

ここからは実務的な話に切り替えますが、会社員で副業のある人は、確定申告をする必要があるのでしょうか?

副業と確定申告

税務上、副業所得というカテゴリーはありませんでので、所得の種類に応じて所得区分を判断します。

例えば、
・週末にアルバイト→給与所得
・アパート経営→不動産所得
・原稿収入、講師料、紹介料、民泊など→雑所得
・個人事業→事業所得

会社員でアルバイト収入がある人は、本業では年末調整しますが、副業であるアルバイトの方では年末調整ができませんので、原則として確定申告が必要です。

ただし、2か所以上から給与の支払を受けている人で、主たる給与以外の給与の収入金額と給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円以下の人は確定申告不要です。

給与所得以外では、収入から費用を控除した所得金額が20万円以下の場合、確定申告が不要です。

ただし、これらの人が医療費控除、寄附金控除、住宅ローン控除などを受けるために確定申告をする場合には、副業を含めたすべての所得を申告する必要がありますので、ご注意ください。

最後に確定申告をしたら、会社にばれてしまうと心配の方へ、抜け道があります。

それは、確定申告の「住民税に関する事項」の欄で「自分で納付」にチェックを入れるのです。そうすると、副業分の住民税を普通徴収で納付することになり、会社にわかりにくくなります。

ただし、この抜け道はアルバイトの給与所得には適用できませんので、ご注意ください。

一方、副業が広がるなかで、スマホでの確定申告も本格的に議論されています。

この話が経営者・資産家の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

メール通信№567


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