医療費控除とセルフメディケーション税制
(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。
いよいよ2月18日から、平成30(2018)年分所得税の確定申告が始まる(還付申告の場合は、1月1日より受付開始)。今回は、比較的適用が多いと思われる医療費控除とセルフメディケーション税制について紹介する。
なお、申告期限は平成31(2019)年3月15日となっているため、該当者は忘れずに手続きをされたい。
もくじ
医療費控除概要
医療費控除とは、その年1月1日から12月31日までの間に自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために医療費を支払った場合において、その支払った医療費が一定額を超えるときは、その医療費の額をもとに下記の算式により計算される金額の所得控除を受けることができる。なお、控除額の最高金額は200万円となっている。
<計算方法>
(実際に支払った医療費の合計額-①)-②
①保険金などで補填される金額
②10万円(※)
※その年の総所得金額等が200万円未満の方は、総所得金額の5%の金額
医療費控除の明細書~領収書の添付省略可
平成29(2017)年分確定申告より、医療費の領収書の添付に代えて、『医療費控除の明細書』の作成及び添付が必要となった。これにより、医療費の領収書の添付が省略でき、かつ、医療費控除の適用を受けることができるようになった。ただし、経過措置として、平成29(2017)年分から平成31(2020)年分までの確定申告については、従来通り医療費の領収書の添付又は提示により医療費控除を受けることも可能だ。
医療費控除の明細書を確定申告に添付する場合でも、医療費の領収書は5年間の保存義務があるため、捨ててしまわないよう注意が必要である。
また、医療保険者から交付を受けた医療費通知(「医療費のお知らせ」など)がある場合は、それを添付すれば医療費控除の明細書の記載及び領収書の保存も不要となる。
なお、「医療費のお知らせ」が医療費通知に該当するためには一定の要件があり、その要件に該当しなければ、添付書類として認められないため、注意が必要である。
医療費通知についても平成29(2017)年分確定申告より始まった制度であるが、医療費通知の要件をすべて満たしているものはまだ少ない。添付を検討している方は、要件をすべて満たしているかしっかりと確認したうえで、添付していただきたい。
セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)
健康の保持増進及び疾病の予防として一定の取組を行っている方が、その年中に自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族のために年間12,000円を超える対象医薬品を購入した場合には、「セルフメディケーション税制」を受けることができる。
また、セルフメディケーション税制は医療費控除の特例であり、上記で紹介した医療費控除との選択適用となるため、併用して適用を受けることはできない。
セルフメディケーション税制を受けるためには、セルフメディケーション税制の明細書だけでなく、一定の取組を行ったことを明らかにする書類が必要となる。
セルフメディケーション税制についても、領収書の添付は必要なく、代わりにセルフメディケーション税制の明細書を添付すれば適用を受けることが可能だ。
税務ニュース№524
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