平成21年度税制改正大綱パート1
(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。
さて今回は、12/12(金)に自民党より発表された「平成21年度税制改正大綱」についてお届けします。
もくじ
減税一色です
全68ページの「税制改正大綱」の全文を読んでみての感想は、「増税項目はほとんど見当たらず減税一色」というものです。
特に、土地や証券、車関係(環境対策という見方もできるが)への最大限の配慮がなされているなぁと感じました。
減税はいいのですが、なんとなく場当たり的な印象も持ちました。
とはいえ減税規模は1兆円ということですから、過去の景気対策での大判振る舞いに比べると、実は規模としてはそれほど大きなものではありません。
この当たりの配慮が、今回の税制改正が後に歴史の汚点にならずに済む部分なのかもしれません。
昨年の税金を戻してもらう
今回と次回で、特に中小企業に影響のある部分を中心に「税制改正の中身」をご紹介していきたいと思います。
まずは、「欠損金の繰戻し還付制度の復活」です。
この制度は、昨年黒字で法人税を納付している中小企業が、今年赤字になった場合に、その赤字を昨年の黒字と損益通算させて、昨年納付済みの法人税を戻してもらえるというものです。
実は、この繰戻し還付制度は規定としては以前からあるのですが、「設立5年以内の中小企業等」を除いて、現在ではその適用が停止されています。
それを、「平成21年2月1日以後に終了する事業年度」から適用できるように改正するとのことです。
ということは、早ければ平成21年2月決算・4月申告から適用できるようになるのかもしれません。
税率下げ
また、中小企業対策として、「平成21年4月1日から23年3月31日までに終了する事業年度から、年800万円以下の所得に対する税率を現行の22%から18%に引き下げる」としています。
ということは、最大800万円×(22%-18%)×2年=32万円×2年=64万円の減税ということになります。
ちなみに、800万円を超える部分については、従来どおり30%の法人税率が適用されます。(大企業においては所得の多寡に関らず法人税率は一律30%です)
また、上記の22%や18%や30%というのは、国税である法人税だけを指していますから、実際は利益がでれば、それら以外にも事業税や住民税がかかります。
この税率下げの改正は、早ければ平成21年4月決算からの適用となります。
対象となる中小法人等とは?
上記2つの減税措置の対象となる「中小法人等」とは以下になります。
1.資本金1億円以下の法人
2.公益法人等
3.協同組合等
4.人格のない社団等
他にも税制改正項目としては、「土地譲渡益1000万円非課税」や「事業承継税制(相続及び贈与も)」など盛りだくさんなのですが、続きは次回「平成21年度税制改正速報パート2(不動産編)」でお届けします。
※今回の内容は、国会を通過するまでは正式な確定事項ではありません。今後の国会審議動向により内容が変更することがありますのでご了承下さい。
今日の話が少しでも経営者の皆様のお役に立つことができれば幸いです。
メール通信№110
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