経営者に知ってもらいたい4月改正事項~税金その他

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


今回は、経営者に是非知ってもらいたい4月改正事項のうち、前回のコラム「 経営者に知ってもらいたい4月改正事項~給与関連」でお伝えした給与関連項目以外についてお送りします。

オーナー課税制度、廃止決定

まずは税金関係からご紹介したいと思います。

平成18年度税制改正において、いわゆる「オーナー課税」制度が導入されました。
これは一定の同族会社に該当した場合に、主に社長報酬の一部が経費として認められなくなる、という規定です。

民主党はこの税制の廃止を訴えていましたが、それが今年の税制改正で実現しました。具体的には平成22年4月1日以降終了事業年度からオーナー課税制度は廃止となりますので、社長報酬は原則、全額が経費となります。

ただし、来年度の税制改正において、高額の役員報酬に対する増税措置を代わりに導入するという話も挙がっていますので、今後の動向には注意が必要です。

小規模宅地の評価減、抜け穴封じ

相続関係においても、今回は大きな改正が行われています。

まず1つが、小規模宅地等についての評価減についての改正です。

相続税においては、相続人の最低限の生活を保障するために、一定の居住用宅地や事業用宅地については、評価額を減額する特例を設けています。

ただ、これまでの税制には抜け穴的要素がありました。

例えば、被相続人の居住用宅地を相続人が取得した場合、その相続人が居住を継続しなくても50%評価減となったり、評価減特例の要件を満たさない相続人が要件を満たす相続人と物件を共有相続した場合に、要件を満たさない相続人も評価減を受けられたり、ということがありました。

今回の改正で、これらの抜け穴は使えなくなります。具体的には、以下のような改正内容になります。

1.相続人等が相続税の申告期限まで事業又は居住を継続しない宅地等(現行200㎡まで50%減額)を適用対象から除外する。
2.一の宅地等について共同相続があった場合には、取得者ごとに適用要件を判定する。
3.一棟の建物の敷地の用に供されていた宅地等のうちに特定居住用宅地等の要件に該当する部分とそれ以外の部分がある場合には、部分ごとに按分して軽減割合を計算する。
4.特定居住用宅地等は、主として居住の用に供されていた一の宅地等に限られることを明確化する。

これらの改正は、平成22年4月1日以降の相続等から適用されます。相続対策をされている方は、改めて小規模宅地の再計算をする必要があります。

定期金評価の改正、相続対策に影響あり(経過措置あり)

相続関係の改正、2つ目は定期金に関する権利の評価についての改正です。

「定期金に関する権利」というのは、具体的には年金受給権のことです。例えば、民間の年金保険に加入し、10年間年金を受け取る権利が手に入ったとすると、その「10年間年金を受け取る権利」というのが「定期金に関する権利」です。

この定期金に関する権利は、改正前の評価では年金受取総額に対して、かなり低い評価額となるケースがあり、相続対策によく利用されていました。
今回の改正では、評価方法を根本的に見直し、実態に見合った評価額となりますので、評価額は原則上がることになります。

ただし、この改正には経過措置があります。平成22年4月1日から平成23年3月31日までに発生した相続、遺贈、贈与については、原則平成22年4月1日以降に契約したもののみ新評価となり、それ以前の契約は旧評価となります。

尚、平成23年4月1日以降の相続等については、全ての契約が新評価となります。

その他の改正まとめ

その他の改正については、ざっと箇条書きにしておきますので、参考にして下さい。

●診療報酬引き上げ・・・医療費の自己負担額アップ
●一定の失業者の国民健康保険料軽減
●国民年金保険料15,100円に引き上げ
●雇用保険料率6/1,000に引き上げ
●雇用保険の加入要件緩和・・・雇用継続見込み31日でも加入可
●家電エコポイントの基準変更・・・薄型TVの約4割が対象外に
●高校実質無償化

<6月~>
●子ども手当支給開始
●貸金業法改正(総量規制等)

この話が経営者の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

メール通信№176


Copyright all rights reserved By マネーコンシェルジュ税理士法人

その他の最新税務関連ニュース

大阪税理士コラムのカテゴリー一覧

税務情報を「メール通信」「FAX通信」「冊子」でお届け。

中小企業の経営者及び総務経理担当者・相続関係者向けに、「知って得する」「知らないと損する」税務情報を、メルマガ、FAX、冊子の3種類の媒体でお届け。
配信日時などの詳細は下記をクリックしてご確認下さい。
会計事務所の方はご遠慮頂いております。

  • メール通信 ご登録&ご案内
  • FAX通信 ご登録&ご案内
  • 冊子媒体 ご登録&ご案内

今なら初回面談無料!
お気軽にお問い合せください。

0120-516-264受付時間 9:00~17:30(土日祝休)

メールでのお問い合せ

ページトップ