平成23年度税制改正、ようやく決定-2

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


前回「平成23年度税制改正、ようやく決定-1」に引き続き、お送りします。

一時所得の計算上控除する保険料の明確化

居住者が支払を受けた生命保険契約等に基づく一時金に係る一時所得の金額の計算上、その支払を受けた金額から控除することができる事業主が負担した保険料等は、「給与所得に係る収入金額に算入された金額に限る」旨が規定されました。

これによって、給与課税されずに会社経費とした保険料は、満期保険金等を受け取った時の一時所得の計算においては、経費処理出来ないことになります。

この改正は、平成23年6月30日以後に支払われるべき生命保険契約等に基づく一時金について適用されます。
少しわかりづらい内容ですが、この規定の創設趣旨は、いわゆる「逆ハーフタックスプラン(養老保険)」を使った法人から役員への資金移転に伴う租税回避規制にあります。

詳しく知りたい方は下記の政府税制調査会の資料のP15をご覧ください。

消費税95%ルールの厳格化

改正前では、消費税の計算において課税売上割合が95%以上の場合には、課税仕入れ等の税額の「全額」を仕入税額控除できました。

それが今回の改正では、その課税期間の課税売上高が「5億円超(その課税期間が1年に満たないときは年換算)」の場合には、たとえ課税売上割合が95%以上であっても、課税仕入れ等の全額控除を認めず、原則、課税売上に対応した課税仕入れ等に係る消費税のみ控除可能としました。

課税売上高が5億円を超える会社には、事務手続きが増加するという影響があるものと思われます。
会計ソフトを自社で導入している会社では、初期設定を会計事務所とともに行っておくとよいでしょう。

平成24年4月1日以後開始事業年度より適用される予定です。

適用期限を平成24年3月31日まで延長

以下の項目については、適用期限が平成24年3月31日まで延長されることになりました。

・中小企業者等の法人税率の特例(22%→18%)
・試験研究を行った場合の法人税額の特別控除の特例(上乗せ部分)
・事業基盤強化設備等を取得した場合等の特別償却・税額控除(教育訓練費の税額控除含む)
・中小企業等の貸倒引当金の特例における公益法人等又は協同組合等の繰入限度額に係る割増措置(116%)

その他の改正項目

・特定の資産の買換えの場合の課税の特例について、適用期限を平成26年3月31日まで延長し、対象資産を見直す

・確定申告義務者の還付申告書の提出開始可能日を2月16日から1月1日に変更(平成23年分の所得税から)

・証券優遇税制(所得税7%+住民税3%=10%)を平成25年末まで延長

・デリバティブの店頭取引の課税方法が平成24年から20%申告分離課税に一本化

・「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置」及び「特定の贈与者から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税の特例措置」について、新築に先行して土地を取得するための資金を適用対象に追加

・住宅の所有権保存登記や移転登記に対する登録免許税の税率の軽減措置の適用期限を平成25年3月31日まで延長

この話が経営者の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

メール通信№240


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