【速報】がん保険の全損処理、見直しの可能性

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


がん保険の税務処理、今後の動向に注意

現在、法人の節税向け生命保険商品の中で、保険料の全額を経費処理できる主な保険は、ほぼ終身がん保険だけとなっています(掛け捨ての保険を除く)。
ほぼ唯一の全損保険ということで、保険料は比較的少ないのですが、節税商品として法人に広まっています。

その終身がん保険の全損処理について、国税庁が見直しする方向で検討している、というニュースが入っています。

国税庁より生命保険協会に対して、法人契約の終身がん保険の税務上の取扱いを見直す前提で検討していく、という連絡があった模様です。

ここ数年、がん保険の税制改正については、何回か取り沙汰されてきていますが、結局何もないまま、現在に至っています。今回もどうなるかは今のところわかりません。

ただ、既に一部の生命保険会社が、終身がん保険の法人契約を自粛するなどの動きも出ているようです。

がん保険の税務処理の根拠

がん保険は、平成13年に出された「法人契約の『がん保険(終身保険タイプ)・医療保険(終身保障タイプ)』の保険料の取扱いについて(法令解釈通達)」という通達によって、その経理処理が規定されています。

保険期間が終身で、保険料の払込期間が終身のがん保険は、払込の都度損金算入する、つまり全損処理となります。

保険期間が終身で、保険料の払込期間が有期であるがん保険については、保険料計算上の満期到達時年齢を105歳と想定し、払込保険料についてそれを基に算出した損金算入部分と積立保険料部分とを区分して計上する、とされています。

現段階では、全くの白紙

過去には、節税対策で一世を風靡した逓増定期保険の全損処理が、平成20年2月に発表された通達によって、1/2損金、1/4損金などと改正になった例があります。

逓増定期保険は、保険期間が経過するに従って、保険金が増えていく生命保険です。保険金が増えていくにも関わらず、保険料を定額で支払っていきますので、保険期間の前半部分は保険料を払い過ぎの状態、つまり解約返戻金が発生する、という仕組みになっています。

平成20年の通達が出される前は、全損処理が認められていたのですが、上記通達により、1/2損金以下となりました。ただし、この改正の時には、経過措置が設けられ、この通達以前に契約したものについては、従来通りの税務処理を認めることとされました。

今回のがん保険についてどうなるのかは、現段階では全く分からない状態ですが、今後加入を検討されている法人、現在加入されている法人は、今後の情報に十分ご注意下さい。

この話が経営者の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

メール通信№261


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