株券の電子化が始まります!
(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。
さて、今回は来年から始まる株券の電子化についてお伝えします。
もくじ
株券電子化が来年1月5日からスタート
株券の電子化(ペーパーレス化)が来年の1月5日に迫ってきました。
現在、上場株式全体の約2割はタンス株であると言われています。タンス株を保有しておられる方は、自分の株式がどうなるのか、また手続きはどうすればよいのかを知っておかなければなりません。
ということで、今回は株券の電子化についてご紹介したいと思います。
株券電子化に当たって、手続きが必要な人
株券電子化といっても、全ての方が手続きが必要なわけではありません。
株券を証券会社等の保護預りにし、なおかつ証券保管振替機構に預託することに既に同意している株主の場合には、特に手続きは必要ありません。
手続きが必要なのは、次のような株主です。
(1)株券を証券会社等の保護預りにしているが、証券保管振替機構に預託することに同意していない株主
(2)株券そのものをタンス株として所有している株主
このような方々が現状のまま何も手続きを行わないとすると、株券電子化への移行時に、発行会社が指定する金融機関等に特別口座が開設されることになります。
その特別口座に株式が記録されるため、その株式が他人名義でない限りは、自分の株主としての権利は確保されます。
ただ、この特別口座は株式の流通を目的とした口座ではありませんので、特別口座から直接株式を売却することはできません。売却する際には、特別口座から証券会社等の自分の口座に株式を移し替える等の手続きが必要なため、株券電子化実施前の2週間と株券電子化実施後の3週間は、株式の売却ができなくなります。
株券電子化までに必要な手続き
タンス株を持っておられる方が、今後の売却等の手続きをスムーズに行うためには、株券を証券保管振替機構に預託する必要があります。株券の預託期限は12/19とされていますので、該当する方は早めに証券会社等にご相談されることをお勧めします。
上記の預託手続きをされない場合でも、自動的に特別口座に移行しますので、株主としての権利を完全に失うわけではありません。ただ、株券の名義が他人名義になっている場合には、株券の電子化が実施されるまでに名義書換をしておかないと、権利を失う恐れがあります。名義書換を忘れてしまった株主向けの救済措置も用意されていますが、事前に名義だけはしっかりと確認するようにして下さい。
証券優遇税制
一方、証券優遇税制が来年以降どうなるのかも気になるところですが、現在のところ、総合経済対策に盛り込まれた通り、来年以降も上場株式等の譲渡所得、配当所得とも原則10%の軽減税率が維持される予定です。詳細は、今月中旬の税制改正大綱の発表ではっきりわかるはずです。
今日の話が少しでも経営者の皆様のお役に立つことができれば幸いです。
メール通信№109
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