6月から住民税が増えた!その理由は?

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


6月から住民税が変わります

平成30年度の住民税の納税通知書が、そろそろお手元に届くころかと思います。

というのも、住民税は6月から新たな年度の納付が始まるからです。

平成30年度については、平成29年度の所得に応じて決定されます。給与が毎年同額であっても、ふるさと納税をした、多額の医療費を払った、住宅ローンをした、保険に加入した等、その前年の状況により納税額が異なります。

特に、ふるさと納税で「確定申告不要のワンストップ特例制度」を利用した方は、納税額に影響していますので、ご注意ください。

では、どのように市区町村は私たちの所得を把握しているのでしょうか?

年末調整で税金精算が完了するサラリーマンの場合なら、会社が市区町村に各人の所得内容が記された書類「給与支払報告書」を提出することによって、市区町村は把握しています。

所得税の確定申告する人の場合なら、税務署から市区町村へ連絡がいきますので、市区町村は把握しています。

サラリーマンの場合、ほぼ給与天引きが強制!

サラリーマンの場合、住民税の徴収方法は「普通徴収」と「特別徴収」があります。

まず、「普通徴収」とは、市区町村から送付される納税通知書で個人が納付する方法をいいます(年4回)。

一方の「特別徴収」とは、事業主が従業員に代わり毎月給与から住民税を天引きし、各市町村に納付する方法をいいます(年12回)。従業員には、短期雇用者、アルバイト、パート、役員等全てを含みます。

昨今、住民税の特別徴収について、各地方自治体が徹底して実行する方針を掲げるようになってきました。

例えば、東京都と都内市町村は、平成29年度から原則として全ての事業主に、特別徴収義務者の指定を実施するとしており、京都府・大阪府・兵庫県・和歌山県の各市区町村では、同様に平成30年度から特別徴収を徹底しています(既に、滋賀県、奈良県においては以前から強化されています)。

ただし、そもそも住民税の特別徴収については、地方税法において事業主による給与天引が義務付けられています。

しかし、これまでの現場実務においては会社が普通徴収を希望して、給与支払報告書を提出した場合、おおむねその希望が認められていました。

法律自体は改正されていませんが、運用の厳格化が図られ、住民税の特別徴収が強化されました。

年2回の納付へ「住民税特別徴収税額の納期の特例」

所得税については、給与の支給人員が常時10人未満の事業主は、源泉徴収した所得税を、半年分まとめて納めることができる「納期の特例」という制度があります。

この特例を受けていると、その年の1月から6月までに源泉徴収した所得税は7/10、7月から12月までに源泉徴収した所得税は翌年1/20が、それぞれ納付期限になります。

なお、この特例を受けるためには、「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を税務署へ提出し承認を受けることが必要です。

実は、住民税についても、所得税と同様の制度があるのをご存じでしょうか?

小規模事業者の事務負担軽減のために、特別徴収した住民税も、源泉徴収した所得税のように年12回の納付を年2回の納付とすることができます。

1回目:6月分から11月分を12/10までに納付
2回目:12月分から翌年5月分を翌年6/10までに納付

適用を受けるには、
(1)給与の支払を受ける従業員等が常時10人未満であること
(2)納付先の各市町村に「給与所得等に係る市民税・府民税特別徴収税額の納期の特例に関する申請書」を提出し承認を受けること
が必要です。

注意点としては、2つあります。
まず、源泉所得税の納付期日が7/10と1/20であるのに対し、住民税については、6/10と12/10というように所得税と期日が1か月ずれていることです。

2つ目は、一度の納付額が多くなりますので、資金繰りに注意することです。
今年から特別徴収をされる事業主の場合、毎月納付するというのは非常に面倒で忘れがちとなりそうですので、当面はご注意ください。

この話が経営者・資産家の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

メール通信№591


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