どれくらい先を見れているか

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


トラブル続きの時は足元しか見えない

先日ご相談に来られた方は、取引先の夜逃げ倒産で、急遽1,500万円の資金が必要になったとのこと。

金融機関のご紹介や融資のための事業計画の作成、トータルの資金繰り相談といった感じでした。

多少の兆候はあったようですが、社長にとっては急なことだったので、とにかく面談中は、目先にしか意識がいっていないようでした。

例えば、金融機関を説得するためにも1年間の事業計画を一緒に作りましょうと話しても、それが必要なことは理解されているのですが、半年先の話ですら言葉がままならず、「月末の給料払えるかな」とか「A社からの入金は今月大丈夫かな」など、話が結局ループして、最後は「目先の話」となってしまいます。

こういった緊急事態にこのような思考になってしまうのは、同じ経営者として十分理解しているつもりなのですが、とはいえ何度も、「そのためにも、今はこの事業計画を作成してしまいましょう、たった30分だけ」と言っているのに、無意識に話が目先オンリーになってしまうというのは、いつものことながら人間とはと考えさせられます。

資金繰り以外にも、裁判沙汰や詐欺事件に巻き込まれる、従業員とのトラブル、プライベートで人に言えない秘密を抱えてしまう、といった時にも、目先しか見えなくなってしまうでしょう。

そしてそれは、無意識領域で動き出してしまうので、当事者になった時にはそうで無い時では想像できないくらい激しく「目先」になることがあります。

新規事業でも目先に

新規事業など会社として大きなチャレンジをする時も、目先に視点がいきがちになることがあります。

会社として新しいことに進む時ですから、最初は、それこそ「遠くの大きな将来」についてアーダコーダと話をしたり、うまくいった時のイメージを膨らませたりするでしょう。

もちろん、遠くの大きな将来の「最悪シナリオ」についても、出来る限りイメージして、リスクヘッジについて思案したりもするでしょう。

で、具体的に実務が動き出すと、例えば、借り入れを起こし、採用を行い、お金をどんどん使っていく(もちろん最初は収入0!)と、経営者は大きな不安に襲われたり、これでいいのかと自問自答で何度も悩んだりします。

そうすると、どうしても視点は、「無意識に眼前オンリー」となることがあります。

どれくらい先を見れているか

一方で、余裕のある会社というのは、例えば10年後を見据えて今から事業承継の準備を始めていこうかという感じです。

そういう意味では、「ピンチの時」と「チャレンジの時」というのは、「経営者自身がどれくらい先を見れているのか」というのを、自分が落ち着いているのか(その事業が上手くいきそうなのか)のバロメーターに出来るのではないかと思うのです。

というか、先ほど、8/2の13時頃お蕎麦ランチに行く途中にて、思いついたのです!

例えば、目先のことばかり頭をかけめぐっていたのが、十分な思考期間が経過したからなのか、トラブルの解決の目途が見えてきたからなのか、理由はともかく、「自然と数ケ月先のことが気になりだした」となれば、「良し!」です。

更にもう少し先の事も自然と頭を駆け巡り始めたら、「なお良し!」です。
余裕が出てきたのかもしれませんし、うまくいく何となくの実感を五感のどこかで受け取ったのかもしれません、もちろん神様の導きかもしれません、マジで。

会社経営を続けていく限り、難問奇問はなくなりません。
良いように言えばですが、それらが経営者の人生に張りを与えているのも事実です(何度も言いますが、良いように言えばですが)。

「降りかかる苦難の道に使命有り」芳村思風
トラブルの大きさがその人の器の大きさということもあります。小人物には小問題しかやって来ません。

そうです、問題が人物を選んでやって来るのです。

今大きな問題に直面している経営者の貴方には、大人物になれる資格があるのかもしれません。少なくとも私は本気でそう思っています。

経営者の皆さんが、上記のバロメーターも活用しながら、仕事上もプライベート上も、上手くでも何とかでもいいので、ピンチもチャレンジ=チャンスも乗り切れることを心より祈念致します。

この話が経営者・資産家の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

メール通信№602


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