4月から始まる”新”先端設備等導入計画、使える?使えない?
(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。
もくじ
先端設備等導入計画に基づく固定資産税減免、3月で期限切れ
認定を受けた中小事業者等の先端設備等導入計画に記載された一定の機械装置等に係る固定資産税について、課税標準が最初の3年間最大ゼロとなる固定資産税(償却資産税)の特例が令和5年3月31日で期限を迎えました。
4月からは、新たな固定資産税特例制度が始まる予定です。
まだ全ての情報がオープンにされているわけではありませんが、現時点でわかっている情報を元に、現行制度からどう変わるのか、メリットやデメリットを解説します。
要件
大きく2つ変更があります。
まず、以前の制度では、前提条件として、必ずその設備が最新モデルであることを証明した工業会の証明書が必要でしたが、新制度では不要になる予定です。
ということは、旧制度では対象とならなかった、証明書の出ない資産についても新制度では対象になりそうです。
もう1つは、従来はなかった「年平均の投資利益率が5%以上となることが見込まれる投資計画」が今後はマストで求められるようになります。
なお、申請日の属する事業年度(令和5年4月1日以後に開始する事業年度に限る)又はその申請日の属する事業年度の翌事業年度の雇用者給与等支給額の増加割合を、その申請日の属する事業年度の直前の事業年度における雇用者給与等支給額の実績と比較して1.5%以上とすることを労働者に表明した場合には、優遇措置があります(後述)。
減額率、減額期間
新制度の課税標準は、原則、「最初の3年間価格の2分の1」となり、旧制度の「全免」は廃止されます。
その代わり、雇用者給与等支給額の増加割合を1.5%以上とすることを労働者に表明したことを証明する書類を計画に添付して市町村の認定を受けた場合には、課税標準が次の通り、優遇されます。
1.令和5年4月1日から令和6年3月31日までの間に取得されるもの
最初の5年間価格の3分の1
2.令和6年4月1日から令和7年3月31日までの間に取得されるもの
最初の4年間価格の3分の1
なお、表明した賃上げを達成できなかったとしても、認定の取り消しにはならないようです。
対象資産
新制度の対象資産は、次に掲げる資産の区分に応じ、1台又は1基の取得価額がそれぞれ次に定める額以上であるものとなり、旧制度で対象となっている構築物、事業用家屋は対象外となります。
1.機械・装置 160 万円
2.測定工具及び検査工具 30 万円
3.器具・備品 30 万円
4.建物附属設備(家屋と一体となって効用を果たすものを除く。) 60万円
以上を簡単にまとめます。
■メリット
1.工業会証明書が不要=証明書のない資産も対象
2.賃上げ要件を満たせば、減免期間延長
■デメリット
1.年平均の投資利益率が5%以上の投資計画の作成が必要
2.特例が適用されても、固定資産税はゼロにはならない
3.減免率を最大にするためには、従業員への賃上げ表明が必要
(ただし、結果的に未達成でも取消はなし)
4.構築物、事業用家屋は対象外
この話が経営者・資産家の皆様のお役に立つことができれば幸いです。
メール通信№841
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