経営力向上計画の実施期間満了に伴う取り扱い
(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。
もくじ
おさらい「経営力向上計画」とは?
「経営力向上計画」とは、人材育成や財務内容の分析、ITの利活用、生産性向上のための設備投資等、中小企業者等の経営力を向上するために実施する計画です。
経営力向上計画の認定を受けた中小企業者等は、税制や金融の支援措置等を受けることができます。
経営力向上計画のメリット
2019年4月より改正され、以前ご紹介した内容から若干変更がされていますので、再度、メリットをご紹介させて頂きます。
(1)投資費用等が即時償却又は税額控除の対象に!
認定を受けた中小企業者等が一定の設備を新規取得した場合において、即時償却又は取得価額の10%(資本金が3千万円超1億円以下の法人は7%)の税額控除を選択することができます。
(2)日本政策金融公庫の金利の優遇
新規購入する設備に対する融資の貸付金利が0.9%引き下げることができます。
※事前に日本政策金融公庫へ相談することをおすすめ致します。
(3)所得拡大促進税制の税額控除率UP!
通常、給与総額の前年増加額に対して15%の税額控除しかできませんが認定を受けかつ確実な実施証明がされている場合には、25%の税額控除となります。
(4)補助金申請時に加点事由
認定を受けていれば、補助金申請時に加点項目となる場合があり、申請を優位に進めることができます。
(5)M&A事業譲渡
この内容が新しくなっております。許認可事業を承継する場合には、承継される側の事業者から、許認可に係る地位をそのまま引き継ぐことができます。
※業種が限られています。
また、事業承継等に係る登録免許税・不動産取得税を軽減することも可能です。
実施期間満了時の手続きは…
経営力向上計画が始まって、今年で4年目となってくるため、期間満了となるケースが発生しています。
設備の追加取得をするタイミングにより手続きが変わってくることとなります。
期間終了前後における設備の追加取得を基準に手続き方法をご案内致します。
(1)実施期間終了前に設備を追加取得する場合
1.期間終了までに変更申請を行い、認定まで受ける
当初の実施期間終了までに変更申請、設備の追加取得、変更申請の認定を受ける
2.期間終了までに変更申請を行い、認定が期間終了後となる
当初の実施期間終了までに変更申請を行ったが、認定が期間終了後になる時は、当該変更申請時において、実施期間の延長も合わせて行う必要がある。
3.期間終了までに変更申請を行わなかった
変更申請は実施期間終了後に行うことができないため、新たな計画として新規申請の例外(設備取得後60日以内)により、申請し認定を受けなければならない。
(2)実施期間終了後に設備を追加取得する場合
1.期間終了までに、事前に期間延長の変更申請を行う
事前に期間延長の申請をしておけば、期間終了後に設備を追加取得することが可能となる。ただし、期間延長は当初の期間開始日より5年までが最長となる。5年以上の延長は不可!
2.新規申請を行う
変更申請による期間延長ができない場合、通常通りの新規申請を行う必要がある。ただし、従来の計画期間と新規申請の計画期間とが重ならないように注意する必要がある!
この話が経営者・資産家の皆様のお役に立つことができれば幸いです。
メール通信№664
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