最低限の相続税申告のために必要な知識

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。

相続・贈与

2011.06.13


相続税の納税対象が拡大!

相続税の申告は、一般にはあまりご縁がないような気がします。しかし、平成22年度の税制改正により、小規模宅地等の特例について増税改正が施行されたため、不動産は都心に持ち家だけという方も相続税の納税対象となる可能性が高くなりました。

ちなみに小規模宅地等の特例とは、個人が相続や遺贈によって取得した財産のうち、その相続開始の直前において被相続人もしくは被相続人と生計を一にしていた被相続人の親族等の居住用または事業用に供されていた宅地等のうち、一定の面積までの部分について、相続税の課税価格に算入すべき価格の計算上、一定の割合(50又は80%)を減額するというものです。

しかし、相続人等が事業または居住を継続しない部分まで減額して適用されているという指摘があり、改正となりました。具体的には、大阪市内に父が家を持っており、子供は別に家を持っている場合で、父に不幸があったケース。改正前なら240㎡までなら、母と子供の共有とした場合も、税金の対象となる評価は80%減となりましたが、今は母の相続した分しか評価減の対象となりません。

要するに、相続税の納税対象が拡大されたわけです。

さらに、平成23年度税制改正大綱では、基礎控除額の40%縮小が取り上げられています(しかしながら、大震災があり未だ決定とはなっておりません)。

そこで、思いもよらない「相続税申告」となったときのために、相続税申告のあらましを説明します。
ちなみに、相続税申告書の提出期限は、相続があった日の翌日から10ヶ月以内です。

相続税申告のあらまし

1.相続人の確認
被相続人と相続人の本籍地から戸籍謄本を取り寄せて、相続人を確認します。
申告書の作成を依頼される場合、この時点から税理士等の専門家に相談されることをお勧めします。


2.遺言書の有無の確認
遺言書があれば家庭裁判所で検認を受けます。ただし、公正証書による遺言は検認を受ける必要はありません。


3.遺産と債務の確認
遺産と債務を調べて、その一覧表を作っておきます。葬式費用も遺産額から差し引けますので、領収書などで確認します。
もし、相続放棄をする場合は、原則として自分が相続人になったことを知った時から3ヶ月以内に申請しなければなりません。 


4.遺産の評価
相続税がかかる財産の評価については、相続税法と財産評価基本通達により定められていますので、それらにより評価します。


5.遺産の分割
相続人全員で遺産の分割について協議し、分割協議が成立した場合には、遺産分割協議書を作成します。なお、期限までに分割できなかたっときは、法定相続分で相続財産を取得したものとして、相続税の申告をすることになります。
 

6.申告と納税
相続税の申告と納税は、相続によって取得した財産(被相続人の死亡前3年以内に被相続人から贈与により取得した財産を含む)の合計額が、基礎控除額を超える場合に必要です。逆に、基礎控除額の範囲内であれば申告も納税も必要ありません。

ただし、基礎控除額の範囲内かどうかは、先ほどの小規模宅地等の特例などの適用を受ける前で判定しますので、ご注意下さい。

この話が経営者の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

メール通信№236


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