節目では保険内容の確認を!

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。

相続・贈与

2011.10.24


節目では保険内容の確認を!

医療保険や定期保険、終身保険など、生命保険には様々な種類がありますが、何がしかの保険には皆さんお入りになっているのではないでしょうか。

生命保険というと、加入する時には真剣に検討を繰り返しても、いざ加入してしまうと、その後、保険のメンテナンスを定期的に行っているという方は少ないでしょう。

しかし、「独身者が結婚した場合」、「子供が生まれた場合」、「親が亡くなった場合」、「転職した場合」、「会社を設立した場合」などの、節目節目では、自身を取り巻く環境が変わっていますので、保険内容の再確認をされることをお勧めします。

独身時代の保険は受取人が親

比較的若い時に加入した独身時代の生命保険は、大抵、保険事故発生時の受取人が「親(父や母)」になっています。

〔定期保険〕
保険契約者:本人
被保険者:本人
保険金受取人:親(父)
保険金:5,000万円

この方が独身でいる間は特に問題ありません。
もし、親より先に本人(息子又は娘)が亡くなっても、独身である以上、その保険金受取人は親でいいでしょう。

しかし、この本人が結婚して更に子供が産まれても、なお保険金受取人を変更していないと、問題が出てくることがあります。

実際あったケースですが

これは実際にあったケースですが、父母がご健在で、その息子が結婚をして、更にはめでたく2人の子供に恵まれたのですが、息子45歳A氏、その妻42歳、子供12歳・8歳の時に、A氏が交通事故で急死されました。

この時の保険の内容が、上記の定期保険です。

再掲〔定期保険〕
保険契約者:本人
被保険者:本人
保険金受取人:親(父)
保険金:5,000万円

課税関係はこうなる

この場合には、まず、5,000万円の保険金が、育ちざかりの2人の子供を抱える妻に支給されるのではなくて、父に支給されます。

そして生命保険金の受け取りには、通常、相続税の非課税枠(500万円×法定相続人の数)というのがあって、このケースであれば、500万円×3人=1,500万円が非課税枠で、課税対象は5,000万円-1,500万円=3,500万円となる、はずです。

しかし、実は、父が受取人となる場合は、別なのです。

というのも、上記の非課税枠を使えるのは「相続人(このケースでは妻や子供)」が保険金を取得した場合だけとなっているのです。
ということで、このケースで父が取得した5,000万円については、相続税の非課税枠は使えず、丸々課税対象となります。

更には、父が受け取った5,000万円の保険金を、妻に渡そうとすると、贈与税がかかります。

暦年課税贈与の場合、(5,000万円-110万円)×50%-225万円=2,220万円の贈与税となってしまいます。
(実際は、複数年に渡って贈与したり、子供にも贈与したり、又は同居して生活費の面倒を父が見る、などの対応がとられるかと思いますが)

結婚をしたときに、保険金受取人を、父から自分の妻に変更しておけば、良かったのにという事例です。

保険受取人自身が先に死亡

別のケースですが、保険受取人自身が先に死亡してしまっている以下のような保険契約を見ることもあります。

〔終身保険〕
保険契約者:父
被保険者:父
保険金受取人:母(先に死亡している)
保険金:1,000万円

このケースも母が亡くなった時に、きちんと受取人変更をしておけばいいのですが、それを失念して、その後に父が死亡したような場合は、ちょっとややこしくなって、その母の相続人が受取人となります。

ケースによっては、もめることも想定されます。

保険の受取人を変更しても、その時点では何も課税関係は生じませんので、人生の節目において、保険契約内容の確認を保険担当者などを交えて実施されることをお勧めします。

当事務所でも対応が可能ですので、お声かけください。
当事務所では、「相続名義変更アドバイザー」を取得していますので、相続関係のご相談もお声かけください。
(注)相続名義変更アドバイザーとは葬式後における相続財産の名義変更手続きを行う専門家の名称です。

この話が経営者の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

メール通信№255


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