様々な信託の活用法(子供無し夫婦、親亡き後問題)

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。

相続・贈与

2013.07.16


子供がおられない夫婦

民事信託である「家族信託」について、いくつかの活用法をお伝えします。

例えば、お子さんのおられない夫婦で、夫が亡くなった後の財産の行方として「夫→妻→妻の家系へ」という事に対して、何か対策がたてられないかというニーズがあったとします。

特に代々守ってきた土地があるとかいう場合には、夫の兄弟姉妹などで疑問があがることがあります。

こんな場合に、以下の内容で信託を設定します。
委託者:夫
受託者:夫の弟の子供(甥)
受益者:夫→夫死亡後は妻(妻死亡時に信託終了として、信託財産の帰属先を甥にしておく)

こうすると、妻が生存中は妻の生活費などをきちんと確保でき、その後は、夫の家系に財産が渡っていくことが可能となります。

信託を使わない場合は、妻に遺言を書いてもらって対応する等となりますが、夫亡き後、妻の気持ちが変わってしまう等に対しては防ぎようがありません。

親亡き後問題

例えば、お子さんの内に障害のある方(遺言を書く能力が無いケースを想定)がいて、親亡き後の生活を心配されているとします。

この場合に、以下の内容で信託を設定します。
委託者:親
受託者:子供の兄弟姉妹等
受益者:親→親死亡後は障害者である子供

これは、親の生存中に遺言を書いて信託設定をする方法でもいいです。(最初の例も同様)

更に、遺言能力が無いようなケースで、最終的に障害者である子供に財産が残った場合には、通常その財産は国庫に帰属されてしまいます。

信託では残余財産の帰属先を指定できますので、こういったことも避けることが出来ます。(今回のケースでは、障害者である子供死亡時に信託終了として、信託財産の帰属先を子供の兄弟姉妹にしておく)

※金銭については、信託銀行等を通じて3,000万円、6,000万円まで非課税で障害者に贈与できる「特定贈与信託」という制度も別にあります。

最後になりますが、信託のポイントの1つは、信頼できる受託者を確保できるかどうかだと思います。
出来れば、信頼できる親族にお願いするのがいいでしょう。

また、あまりに複雑なスキーム等では、遺産相続争いの元になる可能性もありますので、ご注意ください。

この話が経営者・資産家の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

メール通信№344


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