相続税の≪完全節税≫

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。

相続・贈与

2015.07.21


相続税を安くしたい→生前贈与

相続税を安くしたいのであれば、相続財産を減らすといいです。
相続財産を減らすためには、生前贈与が有効な手段の1つとなります。

ただし、税務署もそのあたりはよくわかっていて、亡くなる直前に贈与したものは、原則その贈与がなかったものとして相続税を計算する「相続開始前3年以内の生前贈与加算」という規定を設けています。

つまり、亡くなる前3年以内にした贈与は、相続対策としては無効となります。

また、上記の規定は関係がなかったとしても、例えば1,000万円という大型贈与を行うのであれば、その贈与税は231万円or177万円で、実は贈与税は相続税よりも一般的に高税率となっているのです。

相続税の≪完全節税≫

相続税を減らすという観点にのみ主眼を置いて考えた場合に、相続税を大幅に軽減できて、更に先ほどのように「相続開始前3年以内の生前贈与加算」の適用がなく、「高い贈与税」を払わなくていい制度が3つあります。

ご紹介します。

1.贈与税の配偶者控除
「婚姻期間が20年以上」の夫婦の間で、「居住用不動産」又は「居住用不動産を取得するための金銭」の贈与が行われた場合、「基礎控除110万円のほかに最高2,000万円」まで非課税とする制度。

2.教育資金贈与
親や祖父母が子や孫名義の金融機関口座に、教育資金として拠出(贈与)した場合に、子や孫ごとに1,500万円(塾代等は500万円)まで非課税とする制度。子や孫が30歳になるまでに教育資金として使いきる必要があります。

3.住宅取得等資金贈与
親や祖父母が子や孫に住宅購入費用として贈与した場合に、約1,500万円まで非課税とする制度。

繰り返しになりますが、これら3つの制度は、亡くなる直前に贈与をしても、生前贈与加算の適用はありませんし、上記の限度額内であれば、贈与税は0円です。

上記を合計すると、「2,000万円+1,500万円×孫3人+1,500万円×子供2人=9,500万円」となり、亡くなる直前でも、意思能力などに問題がなければ、約1億円の相続財産を消すことができてしまいます。

とはいえ、贈与はほどほどに・・・

ここまで相続税の節税対策の話をしてきて、腰を折るようですが、実際に贈与の相談を受ける時は、最初はどちらかというと否定的に対応することが多いです(例外的に1の贈与税の配偶者控除は登記費用などの問題がありますが基本的にはお勧めです、以下同じ)。

贈与は、先ほど見たように節税の観点からは大いに有効な手段となりうるのですが、実際の贈与の現場では、「財産をあげる親や祖父母」と「それをタナボタ的に受け取る子供や孫」の微妙な人間模様がその後、様々な化学反応を示すことがあります。

1.贈与が頻繁になると、子供や孫が「アリガタミ」を感じなくなる
2.「タナボタ」的なお金を多額に頻繁に受け取ると、子供や孫家族の金銭感覚が狂い、結果、人生が狂ってしまう
3.お年寄りには手元現金が「ナニカト」必要

相続対策と煽られて、夫が亡くなった後に奥さんが生活に困窮することが無いようにしてください。

世知辛い話ですが、手元現金が無くなると、子供や孫が寄ってこなくなるなんて馬鹿な話を見たり聞いたりしますので。

贈与は相続対策に有効ですが、実際実行されるときは、節税の観点だけではなくて、道徳的な観点等も含めて、事前に税理士等に客観的なアドバイスをもらうといいでしょう。

この話が経営者・資産家の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

メール通信№447


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