一般社団法人等を使った節税に規制強化

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。

相続・贈与

2018.02.26


一般社団法人等に対する相続税、贈与税の見直し

近年、相続対策として一般社団法人等を活用するスキームが増えてきている。これらの法人の一番の特徴は持分の定めがない、すなわち“株主”に相当する地位が存在しないことにある。

つまり、個人財産を一般社団法人等に移転してしまえば、その財産は個人から切り離され、相続税等の不当減少などの要件に該当しない限り、今後は相続税の課税サイクルから外れることになる。

今後は、一般社団法人等の財産も理事の相続税の課税対象に

この節税手法に対して、平成30年度税制改正で規制の網がかかることになった。具体的には、同族関係者が理事の過半を占めている一般社団法人・一般財団法人について、その同族理事の1人が死亡した場合、その法人の財産のうち一定金額を対象に、その法人に相続税が課税されるようになる。

詳細な内容は、以下となる。

(1)一般社団法人等(公益社団法人その他の一定のものを除く。)の理事である者(当該一般社団法人等の理事でなくなった日から5年を経過していない者を含む。)が死亡した場合において、当該一般社団法人等が特定一般社団法人等(次に掲げる要件のいずれかを満たす一般社団法人等をいう。以下同じ。)に該当するときは、当該特定一般社団法人等が、その死亡した者(以下「被相続人」という。)の相続開始の時における当該特定一般社団法人等の純資産額をその時における同族理事の数に1を加えた数で除して計算した金額に相当する金額を被相続人から遺贈により取得したものとみなして、当該特定一般社団法人等に相続税を課する。

1.相続開始の直前における同族理事数の総理事数に占める割合が2分の1を超えること。

2.相続開始前5年以内において、同族理事数の総理事数に占める割合が2分の1を超える期間の合計が3年以上であること。

(2)(1)により特定一般社団法人等に相続税が課される場合には、その相続税の額から、贈与等により取得した財産について既に当該特定一般社団法人等に課税された贈与税等の額を控除する。

(3)その他所要の措置を講ずる。

上記の改正は、平成30年4月1日以後の一般社団法人等の理事の死亡に係る相続税について適用される。ただし、同日前に設立された一般社団法人等については、平成33年4月1日以後の当該一般社団法人等の理事の死亡に係る相続税について適用し、平成30年3月31日以前の期間は上記⑴②の2分の1を超える期間に該当しないものとする。

なお、今回の内容は国会を通過するまでは最終決定ではないので、ご留意頂きたい。

この話が経営者・資産家の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

相続贈与コラム№30


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