2022年に生産緑地が一斉に宅地化?

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。

相続・贈与

2017.06.27


生産緑地の2022年問題とは?

皆さんは、生産緑地についての「2022年問題」というのをご存知だろうか。

生産緑地地区とは、市街化区域内において緑地機能及び多目的保留地機能の優れた農地等を計画的に保全し、良好な都市環境の形成に資することを目的に、都市計画の「地域地区」のひとつとして定められた区域のことで、30年間農地として営農することを義務付けられている。

その代わり、生産緑地地区内の農地については、一定の要件を満たせば、固定資産税の優遇措置や相続税・贈与税の納税猶予が受けられる。

なお、生産緑地地区においては、建築等の新築や宅地造成等の土地の形質の変更は原則としてできず、次に掲げる場合に限り、所有者は市町村に対し生産緑地を時価で買い取るよう申し出ることによって生産緑地地区を解除することができる。

1. 地区指定の告示がされてから30年経過したとき
2. 1の場合のほか、農林業の主たる従事者が死亡したり、農林業に従事することを不可能とさせる故障を有することとなったとき

現在の生産緑地制度は、1992年の生産緑地法改正が基礎となっており、上記の30年が経過するのが、2022年となる。生産緑地の多くで指定解除が可能となるため、大量の宅地が供給されるのではないか、と懸念されている。

特定生産緑地の税制面での取り扱いは?

そこでその対策として、都市緑地法等の一部改正が行われ、平成29年6月15日から施行されている。主な内容は以下の通りである。

1. 生産緑地地区の面積要件緩和
 一律500㎡から条例で300㎡まで引き下げ可能
2. 生産緑地地区内で直売所、農家レストラン等の設置が可能
3. 生産緑地の買取申出が可能となる始期を延期する「特定生産緑地」制度を創設
 (30年経過後は10年ごとに延長可能)

今後、生産緑地指定から30年を迎える場合、生産緑地を解除するか、そのまま生産緑地を継続するか、それとも特定生産緑地の指定を受けるかの選択をすることになる。

重要なのは、固定資産税の優遇措置と相続税・贈与税の納税猶予の適用がどうなるかだが、税制面はまだ不透明なところがあり、これからの動向に注意しておく必要がある。

この話が経営者・資産家の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

相続贈与コラム№26


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