災害により被害を受けられた方が適用できる税制

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


この度の大阪北部地震により被害を受けられた皆様方、7月5日からの大雨により被害を受けられた皆様方に、心よりお見舞い申しあげます。

災害等にあわれたとき、税務上において一定の制度が設けられています。

そのうち、災害により住宅や家財などに被害を受けられたときは確定申告等で
・「災害減免法」に定める税金の軽減免除による方法
・「所得税法」に定める雑損控除の方法
のどちらか有利な方法を選ぶことによって、所得税の全部又は一部を軽減することができます。

「災害減免法」に定める税金の軽減免除による方法

【損失の発生原因】
災害による損失に限定。

【対象となる資産の範囲等】
住宅及び家財。
損害金額※が住宅又は家財の価額の1/2以上であることが必要。
※損害金額は、資産に生じた損額の金額から保険金や損害賠償金などによって補てんされる金額を控除した金額をいう。
 
【所得税の軽減額又は控除額の計算】
その年分の所得金額によって3つに区分され、所得税の軽減額は次の通りである。
・500万円以下は、全額免除
・500万円超750万円以下は、1/2の軽減
・750万円超1,000万円以下は、1/4の軽減

こちらは、損害を受けた年分の所得金額が1,000万円以下の方に限定されます。

災害減免法の適用を受けるためには、確定申告書等に適用を受ける旨、被害の状況及び損害金額を記載して、納税地の所轄税務署長に確定申告書等を提出することが必要です。

「所得税法」に定める雑損控除の方法

【損失の発生原因】
災害、盗難、横領による損失が対象。

【対象となる資産の範囲等】
生活に通常必要な資産に限定。
棚卸資産や事業用の固定資産、山林、生活に通常必要でない資産※を除く。
※生活に通常必要でない資産とは、別荘や競走馬、1個又は1組の価額が30万円を超える貴金属、書画、骨董などをいう。

【所得税の軽減額又は控除額の計算】
雑損控除額は、(1)と(2)のいずれか多い方の金額となる。
(1)損害金額 ― 所得金額×1/10
(2)損害金額のうち災害関連支出※の金額 ― 5万円
※災害関連支出とは、滅失した住宅、家財を除去するための費用など災害等に関連してやむを得ず支出した金額をいう。

損失額が大きくてその年の所得金額から控除しきれない場合には、翌年以後(3年間が限度)に繰り越して、各年の所得金額から控除することができます。

雑損控除の適用を受けるためには、確定申告書に雑損控除に関する事項を記載するとともに、災害等に関連したやむを得ない支出の金額の領収を証する書類を添付するか、提示してください。

確定申告時に必要となるもの

確定申告書を提出するのは来年ですが、次の書類が必要となりますので、お伝えします。

・ 被害を受けた住宅の取得年月、床面積及び自家用車の取得年月などが分かるもの(売買契約書などでその取得価額の分かるもの及び修繕費などの災害関連支出の領収証が残っていれば併せてご用意ください。)
・ 保険金等で補填される金額がある場合、その金額が分かる書類
・ り災(被災)証明書の写し
・ 源泉徴収票(サラリーマンの方)などの確定申告関係の書類
・ 還付先金融機関の口座番号等(申告する方の名義の口座に限ります。)の分かるもの、印鑑

また、大阪北部地震による災害相談窓口が東淀川署、北署、大淀署、豊能署、吹田署、枚方署、茨木署及び門真署等に設置されています。

災害等を受けられた方は、まずは最寄りの税務署へご相談ください。

この話が経営者・資産家の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

メール通信№599


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