最新税務ニュース
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(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


最新税務ニュース393 2015.3.31
高齢者から若者への贈与は大歓迎!~平成27年度税制改正大綱

■高齢者の資産が狙われている!

前回も冒頭に書きましたが、とにかく最近の税制改正は、経済活性化が命(イノチ)です。1500兆円とも1600兆円ともいわれる日本にあるといわれる個人金融資産は、その6割を60歳以上がもっているそうです。

実際、60歳以上世帯の平均貯蓄額は2000万円超です。
60歳以上ですから、この中には既に相続を受けて、多額の資産を引き継いだというような方もおられるでしょう。
また、現在の若者世代では考えられないような高額の年金を受け取っている方もおられるでしょう。

しかし一方で、一般的には、年齢が上がるに連れて、住宅ローンや教育費は終わり、子供が結婚などで家を出ることにより生活費は下がり、結果、消費額は若者世代に比べて格段に減る、ということがあります。
もちろん中には、いわゆるアクティブ高齢者もいるとは思いますが。

そこで今回の税制改正においても、「高齢者から消費に積極的な若者への贈与」を、積極的に支援するような措置がいくつか設けられました。

■結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置

まずは、「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」の創設です。
この制度の創設趣旨としては、「少子化対策に資するため、一括贈与により若年層の経済的不安を解消し、結婚・出産を後押しすることを目的とする」とされています。

制度の概要としては、下記となります。
〇親・祖父母(贈与者)は金融機関に子・孫(20~50歳、受贈者)名義の口座を開設し、結婚・子育て資金を一括して拠出。この資金について、子・孫ごとに1,000万円を非課税とする(結婚資金は300万円上限)。
○相続税回避を防止するため、贈与者死亡時の残高を相続財産に加算する。但し、相続税計算をする場合に孫等への遺贈に係る相続税額の2割加算の対象とはしない。
○受贈者が50歳に達する日に口座は終了。使い残しに対しては贈与税課税。
〇適用期限は、平成27年4月1日~平成31年3月31日まで。

■悪い制度とは申しませんが・・・

まずこの結婚子育て資金「一括」贈与制度の大前提として、結婚や出産があった時に、その都度その必要分を贈与すること自体は、そもそも贈与税は非課税です。
皆さん、当たり前にやっていますよね。
この制度名に「一括」とついているくらいですから、いずれ必要になるであろうと見込んで、子供や孫の結婚資金や子育て資金を事前に一括贈与できるのがこの制度の特徴。

ただし、50歳になって使い残しがあるとそれに対しては、贈与税課税。
これは要注意!

つまり、例えば25歳の子供や孫に結婚資金を贈与して、その子供や孫が結婚しなかった場合等には、贈与税が課税されてしまうのです。
子供や孫にしたら、期限付きで結婚しろ・子供を産め、といわれる暗黙のメッセージは、そのプレッシャーの方が大きいかも・・・と思います。「そんなもんだったら最初からいらんわー」とか言われるかも。

実際この贈与をやってみようという方は、是非将来についての想像力を豊かにした上で、こういった贈与についてのデメリットをきちんと説明してくれる税理士さんに事前相談されることを強く強くお勧めします。

間違っても、安易に政府パフォーマンスに乗っかってしまわないように(もちろんこの贈与制度が有効に機能するケースもありますので、悪しからず)。

■他にも、住宅系の贈与も充実しました

ちなみに平成25年4月1日から「教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置」が始まっていますが、先の「結婚子育て資金一括贈与制度」はこの制度に準じた制度設計になっています。

一点異なるのは、結婚子育て贈与では、贈与者が死亡した時に残高を相続財産に加算しなければならない点です。相続税回避は出来ないようになっています。

他にも、高齢者から若者への贈与関係の税制改正としては、「住宅取得等資金贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置の拡充・延長」や「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税制度の拡充・延長」があります。

また、先ほどの教育資金贈与については、特例の対象となる教育資金の使途の範囲に、「通学定期券代や留学渡航費」等が加えられる予定です。

※今回の内容は国会を通過するまでは正式な決定事項ではありませんのでご注意ください。(政治が安定していますのでこのまま決まる可能性が高いと思われますが)。

 

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