申告し忘れにご注意!住宅取得等資金の贈与を受けた場合

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。

相続・贈与

2023.02.20


住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税

令和4年1月1日から令和5年12月31日までの間に父母や祖父母などの直系尊属からの贈与により、自己の居住の用に供する住宅用の家屋の新築、取得や増改築等(新築等)の対価に充てるための金銭(住宅取得等資金)を取得した場合において、一定の要件を満たすときは、次の非課税限度額までの金額について、贈与税が非課税となります。

非課税限度額

受贈者ごとに省エネ等住宅の場合には1,000万円まで、それ以外の住宅の場合には500万円までの住宅取得等資金の贈与が非課税となります。

ただし、既に非課税の特例を受けて贈与税が非課税となった金額がある場合には、その金額を控除した残額が非課税限度額となります(一定の場合を除く)。

また、省エネ等住宅とは、一定の省エネ基準に適合する住宅用の家屋であることにつき、住宅性能証明書など一定の書類を贈与税の申告書に添付することにより証明されたものをいいます。

受贈者等の要件

最大1,000万円もの資金を非課税で受け取れる制度ですので、誰でも適用できるわけわけではなく、次の要件を全て満たす人が対象です。

1.贈与時に贈与者の直系卑属(贈与者は受贈者の直系尊属)であること。

2.贈与を受けた年の1月1日において18歳以上(令和4年3月31日以前の贈与の場合は20歳以上)であること。

3.贈与を受けた年の年分の所得税に係る合計所得金額は2,000万円以下(新築等をした住宅用の家屋の床面積が40㎡以上50㎡未満である場合は1,000万円以下)であること。

4.平成21年から令和3年分までの贈与税の申告で「住宅取得等資金の非課税」の適用を受けたことがないこと(一定の場合を除く)。

5.自己の配偶者、親族などの一定の特別の関係がある人から住宅用の家屋の取得をしたものではないこと、またはこれらの方との請負契約等により新築もしくは増改築等をしたものではないこと。

6.贈与を受けた年の翌年3月15日までに住宅取得等資金の全額を充てて住宅用の家屋の新築等をすること。

7.贈与を受けた時に日本国内に住所を有していること(受贈者が一時居住者であり、かつ、贈与者が外国人贈与者または非居住贈与者である場合を除く)。

8.贈与を受けた年の翌年3月15日までにその家屋に居住することまたは同日後遅滞なくその家屋に居住することが確実であると見込まれること。

なお、贈与を受けた年の翌年12月31日までにその家屋に居住していないときは、この特例の適用を受けることは出来ず、修正申告が必要となりますので、ご注意ください。

住宅用の家屋の新築、取得または増改築等の要件

「住宅用の家屋の新築」には、その新築とともにするその敷地の用に供される土地等、または住宅の新築に先行してするその敷地の用に供されることとなる土地等の取得を含み、「住宅用の家屋の取得または増改築等」には、その住宅の取得または増改築等とともにするその敷地の用に供される土地等の取得を含みます。

また、対象となる住宅用の家屋は日本国内にあるものに限られます。

ここでは、新築または取得の場合の要件のみお伝えします(増改築等の場合は省略)。

(1)新築または取得した住宅用の家屋の登記簿上の床面積(マンションなどの区分所有建物の場合はその専有部分の床面積)が40㎡以上240㎡以下で、かつ、その家屋の床面積の2分の1以上に相当する部分が受贈者の居住の用に供されるものであること。

(2)取得した住宅が次のいずれかに該当すること。
a.建築後使用されたことのない住宅用の家屋
b.建築後使用されたことのある住宅用の家屋で、昭和57年1月1日以後に建築されたもの
c.建築後使用されたことのある住宅用の家屋で、地震に対する安全性に係る基準に適合するものであることにつき、一定の書類により証明されたものなど

贈与税の申告が必須

この特例の適用を受けるためには、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に、特例の適用を受ける旨を記載した贈与税の申告書に戸籍の謄本、新築や取得の契約書の写しなど一定の書類を添付して、納税地の所轄税務署に提出する必要があります。

申告し忘れると、非課税の特例ではなく普通の贈与になります。

住宅ローン控除との併用は?

住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税と住宅ローン控除とは併用可能ですが、住宅ローン控除を受ける際に一定の調整が必要となります。

この話が経営者・資産家の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

メール通信№835


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