令和4年4月からの年金制度についての各種改正

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


今年の4月は、年金関係の改正が目白押し

いよいよ4月になりましたね。
今年は、オンラインではなく、リアルも増えてきているのか、4/1の朝は、新入社員らしき姿もちらほら見かけました。

4月といえば、毎年様々な法改正や制度改正などが行われます。

このコラムでもいくつかお伝えしてきたところですが、今回は、年金制度についての改正項目をまとめてお伝えしていきます。

(いずれの改正にも、細かい条件や経過措置などがありますが、分量の都合上、詳細については割愛しています。)

年金月額、0.4%減

<65歳で新たに受け取り始める人の例>
国民年金(1人分)
65,075円→64,816円(259円減)

厚生年金(モデル世帯2人分)
220,496円→219,593円(903円減)

繰下げ受給の上限年齢を75歳に引上げ

現在、老齢年金の受給開始時期は、自身の希望により60歳から70歳の間で選択することができ、老齢年金を66歳以後に受給開始(繰下げ受給)する場合、年金額は65歳から繰り下げた月数によって増額(1月あたり0.7%増額)します。

高齢期の就労の拡大等を踏まえ、年金受給権者が自身の就労状況等にあわせて年金受給の開始時期を選択できるようにすることを目的として、令和4年4月から繰下げの上限年齢が70歳から75歳に引き上げられ、年金の受給開始時期を75歳まで自由に選択できるようになります。

繰上げ受給の減額率の見直し

現在、老齢年金を65歳前に受給開始(繰上げ受給)する場合、年金額は繰上げ請求をした月から65歳到達月の前月までの月数によって、1月あたり0.5%減額(最大30%減額)します。

令和4年4月から、この繰上げ受給の減額率が1月あたり0.5%から0.4%に変更されます。

在職老齢年金制度の見直し

現在、65歳未満の方の在職老齢年金制度は、総報酬月額相当額と老齢厚生年金の基本月額の合計が「28万円」を超えない場合は年金額の支給停止は行われず、「28万円」を上回る場合は年金額の全部または一部について支給停止されます。

この在職老齢年金制度が見直され、令和4年4月以降は65歳以上の方と同じように、総報酬月額相当額と老齢厚生年金の基本月額の合計が「47万円」を超えない場合は年金額の支給停止は行われず、「47万円」を上回る場合は年金額の全部または一部について支給停止される計算方法に緩和されます。

加給年金の支給停止規定の見直し

加給年金は厚生年金保険の被保険者期間が20年以上ある方に、65歳到達時点(または定額部分支給開始年齢に到達した時点)で生計を維持している配偶者または子がいるとき、自身の年金に加算されます。

現在、生計を維持している配偶者に老齢や退職、障害を支給事由とする給付を受け取る権利がある場合、加給年金は支給停止されますが、配偶者に対する給付が全額支給停止されている場合には、加給年金が支給されることとなっています。

令和4年4月以降は、配偶者の老齢または退職を支給事由とする給付が全額支給停止となっている場合にも、これらを受け取る権利がある場合は、加給年金は支給停止されます。

在職定時改定の導入

現在、老齢厚生年金の受給権者が厚生年金保険の被保険者となった場合、65歳以降の被保険者期間は資格喪失時(退職時・70歳到達時)にのみ年金額が改定されます。

就労を継続したことの効果を退職を待たずに早期に年金額に反映することで、年金を受給しながら働く方の経済基盤の充実を図る観点から、令和4年4月から、在職中であっても年金額を毎年10月分から改定する制度が導入されます。

<参考> 日本年金機構|令和4年4月から年金制度が改正されました
https://www.nenkin.go.jp/oshirase/topics/2022/0401.html

この話が経営者・資産家の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

メール通信№790


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