雇調金(新型コロナ特例)を受けた年度の決算処理

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。

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雇調金特例、来年2月末まで延長の方向に

雇用調整助成金の新型コロナ特例措置は、新型コロナの影響により事業の縮小を余儀なくされた事業主が、雇用を維持できるよう設けられました。
通常の雇用調整助成金に比べ、大幅に受給要件を緩和し、手続きを簡素なものにしたことにより、コロナの影響を受けた多くの事業者がこの助成金の受給を受けることができるようになりました。

この特例措置は、当初令和2年9月30日までの実施予定でしたが、芳しくない雇用情勢を鑑みて、12月31日までに延長されました。
さらに、政府は第3波による感染拡大を受けて、現行水準のまま来年2月末まで特例措置を延長する方向で調整をすすめているところです(11月26日現在)。

雇用調整助成金の収入計上時期に注意!

では、雇用調整助成金の受給は、決算にどのように影響してくるでしょうか。

雇用調整助成金は法人税法上、課税の対象となります。
また、個人事業主が支給を受ける雇用調整助成金においても、事業所得等として課税されます。
経理処理では、営業外収益の「雑収入」科目で仕訳をきります。

売上が減少して困ったから受給した助成金を課税するなんて・・と恨み言も聞こえてきそうですが、そもそもこの助成金も含めた収入を費用が上回るのであれば、赤字となるので税金の心配をする必要もありません。

一方、消費税については、雇用調整助成金は、課税の対象とはなりません。

注意が必要なのは、収入の計上時期です。
従業員の休業手当という、経費補填を目的とする雇用調整助成金は、原則、その給付の原因となった休業の事実のあった日の属する事業年度の収入に計上しなければなりません。
つまり、12月決算法人でしたら、12月の休業分についての雇用調整助成金の受給額を決算において未収計上する必要があります。

入金があった日や、支給決定通知の到達日ではありません。
申請中であっても、受給額を見積もり計上しなくてはなりません。

雇用調整助成金を受けた翌期は、所得拡大促進税制の適用が受けやすいかも

所得拡大促進税制は、従業員の給与を増加させると増加分の一部が法人税から控除される制度です。
この制度の適用を受けるには、1.当期の給与等総額が前事業年度を上回る2.継続雇用者給与等支給額の増加率が前事業年度比で1.5%以上、という要件等を満たす必要があります(中小企業の場合)。

雇用調整助成金の支給を受けた場合は、この当期の給与等総額の計算のベースとなる「給与等」の範囲から、雇用調整助成金を控除しなければなりません。

よって、当期に雇用調整助成金を受けた場合には、所得拡大促進税制の適用要件を満たしにくくなります。

しかし、来期においては、比較対象となる当期の給与等総額が助成金分低く算定されるので、所得拡大促進税制の適用要件を満たしやすくなります。
要件を充足した場合は、前事業年度からの給与総額の増加分の15%または25%の相当額の税額控除が受けられる可能性があります。

この話が経営者・資産家の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

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