節税しつつ老後資金の積立て、小規模企業共済
(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。
もくじ
経営者の退職金代わりの制度、『小規模企業共済』
小規模企業の経営者・役員の方や、個人事業主の方の退職金代わりとして、節税をしながら積み立てられる制度、『小規模企業共済』をご存知でしょうか?
役員を退任した場合や、事業の廃止・法人を解散した場合などに共済金を受け取れる制度です。
ポイントと注意点を理解して活用することで、メリットを得つつ、引退後の生活資金などを備えることが可能となります。
中小機構が運営
小規模企業共済は、国の機関である中小企業基盤整備機構が運営しています。
昭和40年に始まり、令和3年3月末時点で在籍人数は約153万人、資産運用残高は約10兆5,018億円となっています。
4つのポイント
<全額が所得控除でき、高い節税効果>
掛金は全額を所得控除が可能。
※契約者ご自身の収入の中から払い込む為、事業上の損金または必要経費には算入できません。
<掛金は加入後も増減可能>
満期や満額はなく、月々の掛金は1,000~70,000円まで500円単位で自由に設定が可能。加入後も増額・減額もOK。
<低金利の貸付制度が利用可能>
掛金の範囲内(掛金納付月数により掛金の7~9割)で、事業資金などの貸付制度を低金利で利用可能。
※貸付制度の例
一般貸付け/緊急経営安定貸付け/傷病災害時貸付け/福祉対応貸付け/事業承継貸付け/廃業準備貸付け など
<共済金の受け取りは一括・分割など選べる>
共済金は、退職・廃業時に受け取り可能で、共済金の受け取り方は「一括」「分割」「一括と分割の併用」から選択が可能(一部要件有り)。
注意事項
・共済金等は、廃業や法人の解散、解約した時に受け取れるが、掛け金納付期間が12か月未満の場合、解約手当金や共済金が受け取れない場合がある。
・掛金納付月数が、240カ月(20年)未満で任意解約をした場合、掛金合計額を下回ってしまうため、元本割れとなる。
・加入期間が240カ月以上でも、途中で掛金を増額・減額した場合で、掛金区分ごとの掛金納付月数が240カ月を下回ったときは、任意解約した場合に受け取れる解約手当金が掛金合計額を下回ってしまうことがある。
・共済金および解約手当金は、受け取る際の年齢や一括または分割などの受取方法などで税法上の取扱いが異なる。
【例1】共済金または準共済金を一括で受け取る場合 ⇒ 税法上の取り扱い:退職所得扱い
【例2】共済金を分割で受け取る場合 ⇒ 税法上の取り扱い:公的年金等の雑所得扱い
加入手続き
小規模企業共済への加入手続きは、中小機構が業務委託契約を結んでいる団体や、金融機関の窓口で行うことができます。
弊社でも窓口となっていますので、必要な方はお申し付け下さいませ。
この話が経営者・資産家の皆様のお役に立つことができれば幸いです。
メール通信№800
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