中小企業に関係する追加経済対策のポイント

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


政府は、4/10に新たな追加経済対策を決定しました。財源となる補正予算案と関連法案は現在国会で審議中ですが、今回はこのうち、中小企業に関係してくるポイントを取り上げてご紹介したいと思います。

融資関係のポイント~緊急保証制度、日本政策金融公庫の融資条件緩和

まず、融資関係において大幅な拡充がされます。

信用保証協会の100%保証が付く緊急保証制度については、現在の20兆円の枠がさらに30兆円に拡大され、従来1年以内とされていた据置期間が2年以内に延長されます。

無担保保証の限度額も現在は8,000万円までとされていますが、今後は8,000万円を超える無担保保証についても柔軟に対応する、とされました。

日本政策金融公庫のセーフティネット貸付についても、現在の10兆円の枠が15.4兆円に拡大され、無担保無保証融資の金利も引き下げられます。

また現在、新規開業者や開業後2期が経過していない一定の事業者に対して、1,000万円を限度として行われている新創業融資制度も、5/11から条件が緩和されます。現在は運転資金の返済期間は5年以内、据置期間は6ヶ月以内とされていますが、それが返済期間は7年以内、据置期間は1年以内に拡大されます。

ちなみに、マル経融資については4/15から既に条件緩和が行われています。
具体的には、1,000万円だった限度額が1,500万円に拡大され、返済期間も運転資金は7年以内、設備資金は10年以内に拡大されています。

その他中小企業倒産防止共済の一時貸付金の金利も、従来の1.5%から0.5%に引き下げられます。

雇用関係のポイント~助成金の拡充

雇用関係においては、助成金を中心に対策が行われています。

中小企業緊急雇用安定助成金においては、従業員の解雇等をせずに、休業手当を支払う場合に、中小企業に対しては、休業手当の最大9/10(教育訓練を行う場合には、1人1日6,000円を加算)を助成します。

また、新たに「残業削減雇用維持奨励金」が新設され、従業員の残業を大幅に削減し、パートや派遣の雇用維持を図る場合等に、1人当たりパート30万円、派遣45万円の金額が助成されることになりました。

税金関係のポイント~税率引き下げ、交際費課税の優遇等

最後に、税金関係の対策です。

既に決定した平成21年度税制改正において、資本金1億円以下の中小企業等については、欠損金の繰戻還付が全面解禁(2月決算法人より)され、所得800万円以下の法人税率が18%に引き下げられています(4月決算法人より)。

さらに、この追加経済対策で3つの改正が予定されています。

1つは、中小企業に対する交際費課税の優遇です。
現在は年間400万円までの交際費は、90%が損金算入されることとなっていますが、この枠が600万円に拡大される予定です。

2つ目は、研究開発税制の拡充です。
現在は、法人税の30%を上限に、研究開発費の一定割合を税額控除できることになっており、控除しきれない分は翌年に限り、繰り越すことができます。
これを、控除限度額を法人税の40%に引き上げ、繰越期間も3年に延長する予定です。

3つ目が、住宅資金贈与の非課税枠の拡大です。
親から子に、住宅取得等のために資金を贈与した場合には、現在の非課税枠とは別に500万円までが非課税とされる予定です。

つまり、暦年課税贈与の場合には、110万円+500万円=610万円、精算課税贈与の場合には、2,500万円+1,000万円+500万円=4,000万円までの贈与が非課税となります。

このお話が少しでも経営者の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

メール通信№130


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