平成23年度税制改正大綱 発表

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


(注)なお、改正については、3月の国会を通過して正式決定となりますので、ご了承ください。

法人税では・・

12月16日に平成23年度税制改正大綱が閣議決定されました。傾向としては、ズバリ「企業には減税を!金持ち個人には増税を!」ではないでしょうか。


◎法人税率の引下げ
やはり注目すべきは法人税率の5%引き下げです。
現行の法人税率30%を、平成23年4月1日以後に開始する事業年度から25.5%に引き下げます。これにより、地方税を含めた法人実効税率は40.7%から35.6%になります。

さらに中小企業(資本金1億円以下)の所得のうち、年800万円以下の金額について適用される軽減税率を18%から15%に引き下げます。


◎大法人につき繰越欠損金の使用制限
大法人については、繰越欠損金の控除額を80%に制限し、欠損金の繰越期間を7年から9年に2年延長します。しかし、中小企業については、欠損金の使用制限は設けず、現行どおりとし、繰越期間は大法人と同様に9年に延長します。


◎雇用促進税制の創設
従業員のうち雇用保険一般被保険者数を10%以上かつ5人以上(中小企業は2人以上)増加させる等の要件を満たす法人について、増加1人当り20万円の税額控除ができる制度を創設します。なお、当期の法人税額の10%(中小企業は20%)を上限とします。

所得税では・・

◎給与所得控除に上限設定
現行では、給与収入に応じて青天井に設けられている給与所得控除について、年収1,500万円を超える場合は245万円を上限とします。

さらに、年収4,000万円超という特別に高額な役員給与については、給与所得控除額の1/2を上限とします。なお、2,000万円超4,000万円以下についても、控除額の3/4を上限として徐々に控除額を縮減します。この縮減措置については、会社役員や国家・地方公務員等を対象とします。


◎証券優遇税制の延長
上場株式等の配当・譲渡所得等に係る10%軽減税率を、平成25年12月31日まで2年延長します。これに伴い、日本版ISA(非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置)は平成26年1月からとします。


◎成年扶養控除の見直し
現行23歳から69歳までの成年を控除対象とする成年扶養控除について、合計所得金額が400万円(給与収入では568万円)を超える人について段階的に廃止します。ただし、障害者・要介護認定者・学生等については引き続き扶養控除の対象とします。

資産税では・・

◎相続税の基礎控除の4割縮減
相続税の基礎控除について、現行「5,000万円+1,000万円×法定相続人数」を4割縮減し、「3,000万円+600万円×法定相続人数」とします。

さらに、高額の遺産取得者を中心に負担を求める観点から最高税率を50%から55%へ引き上げます。


◎死亡保険金の非課税措置
死亡保険金については現行「500万円×法定相続人数」につき非課税ですが、これに条件がつきます。法定相続人のうち、未成年者・障害者・相続開始直前に被相続人と生計を一にしていた者に限定されます。


◎贈与税
高齢者層の保有する資産をより早く現役世代に移転させ、その有効活用を通じて経済社会の活性化を図るため、一部贈与税率を引き下げます。また、相続時精算課税制度の適用対象に20歳以上の孫を追加し、贈与者の年齢要件を60歳以上(現行65歳以上)に引き下げます。


例年なら、大目玉である改正が目白押しといった内容となっています。詳細については、来年以降に順にお知らせします。

この話が経営者の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

メール通信№214


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