扶養控除の見直し、増税の方向へ

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


15歳以下の子供がいる方~扶養控除から子ども手当へ

民主党政権での目玉の一つは「子ども手当」です。従前は、所得制限を課したうえで対象者に児童手当(月5,000円、3歳未満は月10,000円)を支給していましたが、子ども手当は今のところ所得制限なしに中学校修了までの児童に一律月13,000円を支給しています。

一方、子ども手当が支給される代わりに、年少扶養控除(15歳以下の児童を扶養する者に適用されている所得控除のこと、年間1人38万円)が平成23年1月からなくなりました。

1月からの給料明細をご覧ください。子ども手当を受給している人の所得税が増額されているはずです。(住民税は平成24年6月分から変ります)

16歳以上18歳以下の子供がいる方~公立高校無償化へ

公立高校の授業料が昨春から、無償になりました(私立についても助成あり)。これに伴い、16歳以上18歳以下の児童に対する扶養控除について、上乗せ部分であった25万円が廃止され、扶養控除の額が38万円となりました。

ちなみに、19歳以上22歳以下の児童に対する特定扶養控除は、現行のまま(38万円+25万円=63万円)です。

23歳以上70歳未満の扶養控除は増税の方向へ

現行では、23歳以上70歳未満の成年を控除対象とする成年扶養控除(1人38万円)は、被扶養者がその年齢内であれば、所得に関係なく一律に適用されています。

これにメスが入ります。平成23年度税制改正大綱を原文のまま記載させていただくと、「本来、成年者は基本的に独立して生計をたてるべき存在であること等を踏まえれば、成年者を担税力の面で配慮が必要な存在として一律に扶養控除の対象に位置付ける必要性は乏しいと考えます」

とあり、平成24年分以後の所得税について所得制限が設けられる予定です。

次の1及び2に掲げる成年扶養親族を有する場合には、これまで同様1人38万円の成年扶養控除を受けることができますが、それ以外は受けられなくなります。

特定成年扶養親族

特定成年扶養親族とは、成年扶養親族のうち、次に掲げる人をいいます。
①年齢65歳以上70歳未満の人
②心身等の事情を抱える一定の人
③勤労学生控除の対象となる学校等の学生、生徒等

特定成年扶養親族以外の成年扶養親族

その年の合計所得金額が400万円(給料収入の場合は567万円)以下である人の成年扶養親族に限ります。なお、合計所得金額400万円を境目として税負担が急増しないように、調整措置が設けられる予定です。
つまり、所得の多い人には適用しませんということです。

最後に70歳以上の老人扶養控除(1人48万円、同居の場合は58万円)に改正はありません。

所得税が増税になるということは、翌年6月以降の住民税も増税となります。

この増税をいかにカバーしていけばいいのか悩ましい問題です。個人事業主や共同経営者、中小企業経営者であれば、小規模企業共済の加入も一考です。

(なお、改正案につきましては3月の国会審議を通過して確定となりますので、ご了承ください)。

この話が経営者の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

メール通信№222


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