法人税引下げ、繰欠9年、更正の請求5年に

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


主な改正は4項目

平成23年度税制改正の積み残しの法律が、12月2日に公布施行されましたので、今回はその改正内容をお伝えします。(平成「24」年度税制改正案については次回お伝えする予定です)

決定した主な税制改正項目は以下となります。

1.法人税率の引下げ(但し別途、復興増税有り)
2.減価償却資産の償却率の見直し
3.欠損金の繰越控除制度の見直し
4.更正の期間の延長

法人税の実効税率は約2.5%下がります

法人税等は実効税率ベースで約5%引き下がるとなっているのですが、別途、復興特別法人税(注)が課されることが既に決まっています。
(注)復興特別法人税とは、平成24年4月1日から平成27年3月31日までの間に開始する事業年度について、法人税額に10%の税率を乗じて計算した金額を課税するものです。

ということで、一般的な中小企業(普通法人)であると、平成24年4月1日以後開始する事業年度から以下のようになります。

国税である法人税率(課税所得800万円以下の部分)・・現行18%→新16.5%
国税である法人税率(課税所得800万円超の部分)・・・現行30%→新28.05%
国税と地方税を合わせた実効税率・・・現行40.69%→新38.01%

250%定率法から200%定率法へ

機械装置や車両などの減価償却資産の定率法の償却計算が、250%定率法から200%定率法へ変更されます。

平成19年度税制改正において、国際レベルに合わせる目的で早期償却を実現できる250%定率法(2年償却の場合は1.00となり期首に取得すれば当期に全額経費計上が可能)が導入されましたが、少し早期償却し過ぎということで、増税改正となる200%定率法となりました。

繰越欠損金の期間が7年から9年に

青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越期間、青色申告書を提出しなかった事業年度の災害による損失金の繰越期間を現行の7年から9年に延長することとされました(減税改正)。

この改正は、平成20年4月1日以後に終了した事業年度において生じた欠損金額について適用されます。
(大法人等については、繰越欠損金の控除限度額を、繰越控除前所得金額の100分の80とする措置も図られています(増税改正)。)

更正は減額も増額も5年に

申告書を提出した後で、所得金額や税額などを実際より多く申告していたことに気付いたときには、「更正の請求」という手続により訂正を求めることができます。

平成23年12月2日以後に法定申告期限が到来する国税について、更正の請求ができる期間が法定申告期限から原則として5年(改正前1年)に延長されました。
また、平成23年12月2日以後に法定申告期限が到来する国税について、増額更正をすることができる期間が、改正前は3年のものについて5年に延長されました。

但し、偽り・不正の行為により税額を免れるなど脱税の場合に税務署長が行う増額更正の期間は現行のとおり7年です。

更には、平成23年12月2日より前に法定申告期限が到来するものについても、新たに「更正の申出書」というものが用意され手当されています。

更正の請求(減額更正)が5年に延長されたことは良い事なのですが、税務署長が増額更正できる期間も合わせて5年に延長されましたので、税務調査時の対応がより重要となります。

今回は、12月2日に公布施行された税制改正事項を速報でお届けしましたので、内容に訂正があればこのコラムにてご報告します。

この話が経営者の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

メール通信№262


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